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Private Excution
その他リレー小説 - アクション

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Private Excution 21





「…やれやれ」
遊馬は、一つため息をついて愛刀、《冴月》を肩に担いだ。
周囲には陥没した床と巻き散らされた瓦礫。どちらも、眼の前の巨大機械人形によるものだ。
「結局デカいだけで単純じゃねぇか」
そう行って床を蹴ると一瞬遅れて『ラングアーミッヒ』の腕がもといた足場を叩き割る。
遊馬は宙に浮いたまま体勢を変えると、《冴月》を異様に伸びた機械人形の腕へと振り下ろす。推定直径2、3メートルの腕はたやすく両断される。
痛みを感じない人形はそれにも構わず逆の腕を振り回す。稚拙としか言いようのない攻撃を身を屈めてかわすと、下から突き上げる斬撃でもう片方の腕も切断する。
遊馬がため息をつく。しかし、ラングアーミッヒは戦い方は雑であるとはいえ、決して弱いわけではない。普通の人間なら、振り回された腕で気付かないうちに挽き肉にされているはずだ。
つまらん。遊馬が心の中で呟く。これならここを朔馬に任せて上に向かえばよかった、と。
眼の前の大型ロボットは事実上無力化している。見たところ、銃器のような武器らしい武器は見当たらないので、もう終わったも同然だ。
少し離れて様子を伺う。切断面から腕が凍り始めている。《冴月》の能力。本来は傷口から凍り始め、全身に回るのだが、相手が機械だとそれも遅い。
──ま、放っておいても勝手に止まるだろ。
完全に興味を失った遊馬が背中を向けた瞬間だった。


ゴウンっ!!


「な、何だ?!」
思わず、朔馬が叫ぶ。
轟音が鳴り響いたのは、ちょうど六峰が立ち上がり、朔馬と対峙したときだった。
「ちっ‥‥だからデクノボウじゃ役不足だと言ったんだ」
六峰はそう言うと、指令室(?)後方へと駆け出した。ちづるや六峰、津宮に気を取られて気付かなかったが、その先には非常口らしいドア。
一つ舌打ちし、朔馬はちづるを担ぎ上げた。
「朔馬!」
「隊長?!」
入口から入ってきたのは遊馬瑞仙。その右手には巨大な青竜刀が握られている。
「何なんスか、コレ?!」

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