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Private Excution
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Private Excution 26

蒼依の労いに、皮肉交じりに答える。少々無理のある発表だが、巨大人型兵器の自爆よりはマシか、と思う。
ぼんやりと佇む朔馬の瞳に映るのは、極めて普通の光景。買物帰りにの主婦や靴底をすり減らすサラリーマン、授業をサボって遊びほうける高校生。どれもこれも、あくびが出るぐらい普通の光景だ。
「‥‥蒼依」
少しの沈黙の後、朔馬が口を開く。ん?と手負いの美少女が軽く眉を持ち上げる。
「戦争、無くならないよな‥‥?」
「‥‥うん‥‥」
「戦うしか、ないのか‥‥?」
「‥‥うん‥‥」
朔馬の声は、今にも消え入りそうだった。
「でも、朔馬は護った。ちづるちゃんも、あたしも。それで、いいじゃない」
優しく温かい、母の声。朔馬は蒼依の声をそう感じた。
「そうだな‥‥それで、いいよな‥‥」
朔馬はゆっくりと空を見上げた。
雲の切れ間から、黄金色の光が漏れ出した。


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