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TRADEAD
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TRADEAD 23

片桐先輩がそう言い、屋上の扉へと走って行く…



あ、コケた。

勢い良く扉が開き、続いてバーン!と大きな音がして、反動でまた閉まってしまった。



しまった!閉まった。

なんて事を考えている場合ではない。
「大丈夫!?」
駆け寄りながら呼び掛ける。

「…うーん。何とか」

状態を確認する為に扉を開ける。



って…あかねーし。


色々とガチャガチャやってみたが、かなりの衝撃だったらしく、簡単には開きそうにない。


「どうした?」
俺の変な動きに太田さんがたまらず聞いてくる。
「いやあの…開かなくて」
「そうか…それは後で何とかするから、片桐さんに早く避難するよう伝えといて」

さりげに切羽詰まっているようだ。
「先輩、聞こえました?ひとまず避難しといて下さい。こっちで何とかします」
「うん。わかった!ごめんね?気をつけてね!」

パタパタと階段を降りる音がする。
コケない事を祈ろう。


それにしても、こうなると予知は出来なかったのか俺は。

全く使えない能力だぜ…畜生め。



いや、俺が使えないのか。

軽く自責の念にかられながら、太田さんの方へ戻ると、爆弾の解体が結構進んでいるようだ。


「単純な構造で助かりましたね。ただ、最後にどちらを切るか、それが難しい所ですね」


って早くね?
もう最終段階かよ!?

「しかも残ったのは赤と青の線…ありきたり過ぎるよ全く」
爆弾を見たらタイマーらしきものがあり、残り時間は三分程度のようだった。


「どうします?」
「うーん…そうだ!」
唐突に太田さんが何かを思いついたらしく、ほくそ笑んでいた。


願わくば、諦めて逃げようなんて言い出さないで欲しいが。

「高見君にどちらか切った未来を視てもらおう」

…そうきたか。
「じゃあ念の為、僕は高見君の意識に入り込んでもう一つの線を切った未来を視てみましょう」

「そんな事も出来るんですか?」
「やってみないとわかりませんが、たぶん出来るでしょう」
門真さんも太田さんと同じく憶測でモノを言うタイプなのだろうか。

この人達は本当に大丈夫なのか?


まぁ、今はそんな事を考えていても仕方ない。
「じゃあ、シュウは赤を切った未来を頼む。高見君は青を」


俺はさっきの要領で、未来を想像してみた。

「今やってみましたが、僕も高見君経由なら予知出来るみたいです。が、赤は切ったら即ドカン、です」

「青、切ってすぐは爆発しない…でも、その後爆発してる」
俺は視えた事をそのまま伝えた。

さっきから爆発するイメージばかりだな。

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