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TRADEAD
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TRADEAD 1

…なんだか変な夢を見た。
しかし思い出せないってことは気にするなって事だろう。

よし、メシでも食って学校行くか。

俺の家から通っている高校まで歩いて20分程度。
高校生にもなると、つるんで学校に行く事がなくなった。
…ぶっちゃけ寂しい。

独りぼっちの通学路を寂しがりながら過ごすと、いつも学校に辿り着く。

あたりまえだ。

今日もいつも通り教室に着くと、諒平が話し掛けてくる。
「よぉ真哉!便秘?」
快便だ。
「毎日その挨拶で下品だと思わないか?」
「いやいつも朝から眠そうだからさぁ〜」
朝は眠いもんだろ普通。
「朝から元気な諒平が羨ましいよ」
思ってもないお世辞を言う。

他愛もないやり取りの後、担任が来て、点呼が始まる。
「高見真哉!」
呼ばれたからには返事をしなくてはならない。
「へ〜い」
いつも思うんだが、たかだか40人程度の顔と名前が覚えられないのに教師になれるというのはおかしいんじゃないだろうか。


そんなことを敢えて口には出さないで午前中の授業をこなすと、昼休みになった。
昼休みといえば、お弁当だろう。
教室内では、友達同士が寄り添ってお弁当を食べている。
そんな中、俺は教室の隅で一人淋しく弁当箱をつついていた。
もちろん、おかずは俺の好物のゴボウ……
俺はこの歯ごたえが好きだ。

さらに言うと、ゴボウを常に狙ってくる諒平は大嫌いだ。

「お前も淋しい男だなー。また一人で食ってんのかよ?」
「好物を取られるよりはマシだ。」
「ちょっとくらい分けてあげるとか、そういう広い心は持ち合わせてないのかね?」
今日の諒平は心理戦で来たようだ。

だが今の俺は、たかが言葉で揺れ動くほど優しくない。

「俺は朝食ってから何も食べてないんだ。早弁したお前とは違う。」
「午前中ずっと座ってるだけなんだから少しくらいは良いだろ」

痛い所を突いてくる。
そもそも座っているだけなのに、腹が減る人間の体とは不可思議なものだ。


…結局二切れを譲り、購買でパンを奢ってもらうということで話がついた。


午後の授業…ダルい。
好物を奪われた悔しさでパンを二つと牛乳を一本買わせたのは失敗だった。
かなり眠い。

普通の人なら迷わず寝るところだろう。
しかし俺は違う。
若いうちに学べる事は、より多く学んでいた方が良いという信念があるからだ。

これは決して曲げられな…

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