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TRADEAD
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TRADEAD 28

「邪魔ってアンタねぇ……」
「少し言い過ぎたかも知れませんね。別に仲が悪い訳ではないですよ。いつも大体こんな感じなので……あ、そうだ。この際だから如月さんが説明しますか?」

 そうだった……この人心読めるんだった。

「そうね、それじゃ簡潔に言うわよ」
 ズバリ言うと降板になるから気をつけないと……って関係ないか。

「いい? この歪みを元に戻すには高見君に死んでもらうのが一番手っ取り早いの。幸い期間が短かったから私がミラーと対極の世界をアナザーに融合させるだけで済むから」
 ……衝撃。折角生き返ったと言うのに今度は本格的に死ねと言うのか。

 今の俺は相当変な顔をしているんだろうな。

「身も蓋もない言い方ですね。まぁ、事実ではありますけど」

 フォローしないのかよ! 期待していたのに……怨みますぅー。

「でもそれだと片桐ちゃんが納得しないだろうし、こっちとしても無駄に死人を増やしたくないの。だから、いくつか方法を怜二とか宗吏が考えてくれたわ」

 あぁ、この人は考えてくれてないのか……今夜はちょっと枕を濡らしてしまいそうだ。
「何だかんだで如月さんも考えてたじゃないですか」
「あんたらが全部却下するからよ!」
「事後処理が面倒なものばかりなのが悪いんですよ」

「あ、いや良いですよ。考えて下さってありがとうございます」
 何か俺の所為で喧嘩されるのは胸が痛い。

「まぁ、いいわ。それで、その方法ってのが、私がミラーと対極の世界を探すから、高見君にはそこに行ってもらって、思っていることと反対の事をしてもらうのが一つ」

 何だかややこしいなぁ……そもそも出来るのだろうか。
「二つ目は、高見君がミラーで行動した事をアナザー、つまり今いる世界ね。ここでも同じように行動するという内容よ」

「ただ、二つ目を実行するには、時間を戻さないとならないので、高見君が時間を戻す事が出来ないと完全には元に戻りません」

 俺にはそんな能力ありません。

「太田さんはもしかしたら出来るかもと言ってましたから、不可能という訳でもなさそうですよ。それに、出来ない場合は同じ状況を作り出すので、それほど問題はないでしょう」
「他にも案はあるけど、今の所この二つが比較的簡単かつ安全ね。ミラーでアナザーと同じ事するなんて嫌でしょ?」

 ……つまりまた片桐先輩押し退けてぎゃーとか言えってことか。

「ちょっと嫌です」

「今どっちか選べって言ったら選べる? 私としては早い方が良いけど、高見君が悩んでるうちに良い案が出来るかも知れないから、どっちでもいいわよ」

 ……どうしようか。


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