PiPi's World 投稿小説

TRADEAD
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 19
 21
の最後へ

TRADEAD 21

…俺の意識の中に、こんな世界が存在するとは考えにくい。
今はこれ以上考えても結論が出ないと思い、別の質問をする事にした。

「この世界には、どうやって来たんですか?」
「その疑問は、一言では答えられない。何故なら、皆違う方法で来ているから」
「違う方法?」
そんなに何種類もあるのか。
「まずシュウは、他人の意識に介入するという特殊能力を持っていて、その力を使い、この世界へ来ている」
…便利な能力だな。

「読心術のような物です。僕はその力を一度太田さんに使い、その状態で高見君の意識に入り込みました」

これで門真さんと太田さんの方法は分かった。


正直信じ難いし、太田さんは楽をしているように感じるが。


「片桐先輩は?」
夢みたいな物、と以前聞いた覚えがあるが、詳しく聞いてみたかった。

「若干不明な点があるが、脳内の情報は電気信号でやり取りされている。基本的にはその電気信号が他人に伝わる事は無いんだが、片桐さんの自責の念と、高見君の特殊な状況が作用してか、意識の共有が出来るようになった。そう捉らえている」
「ただ、その状況になるにはね、眠ってないと駄目なの」

急に片桐先輩が話し出したので驚いたが、これで夢のような物、という意味が何となく分かった。

しかし、どんだけ眠ってるんだこの人は。

「片桐さんは睡眠薬を服用してまで来ているからな。ある意味、愛の為せるワザとも言えるな」

太田さんが冗談めかして言う。
片桐先輩は顔真っ赤にしてるし…

まんざらでもないのだろうか。


しかし俺の為に睡眠薬を飲まれるのは気が引ける。

何とかしたいが、現実世界に戻るしか無いだろうな。
その為には、自分が何を出来るのか知っておかなければならない。

俺は最後の質問をする事にした。

「門真さんが昨日言っていた、普段出来ない事が出来るようになるって、例えばどんな事が出来るようになるんですか?」


機関車の燃料になれると言われたらどうしよう…
「そうですね…やってみないと分からないんですが、僕としては予知能力ではないかと思っています」
「俺も同感だ。夢を介して未来を見ているから、あるとしたら、恐らくそんな感じの能力だろう」
特に何も無いという訳ではなかったので良かった。
しかし結局はっきりとした事は分からないのか…


関係ないが、だがしかしって言葉、駄菓子菓子って漢字にしたら意味不明だな。

駄菓子なのか菓子なのかはっきりして欲しい。

…いや大した違いは無いのだが。

「駄菓子菓子、どうやったら分かるんですか?」

「それでは実際に何が出来るか試してみましょうか」

門真さんに、微妙なイントネーションの違いは気付いてもらえなかったようだ。
やはり言葉で伝えるのは難しいな。

いや別に伝えたい訳でも無いのだが。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す