PiPi's World 投稿小説

TRADEAD
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 1
 3
の最後へ

TRADEAD 3

「何の話だ?寝呆けてるのか」
「目は覚めてるって」
じゃあ誰だ。
身に覚えが全くない。
「先輩って誰?」
「大喜利…いや片桐先輩だったかな?とにかく女の先輩だ」
大喜利と片桐か。
ぎり、しか合ってないじゃないか。

「笑点関係者の知り合いはいない」
「俺だっていねーよ!」
「で、何か言ってたか?」
「寝てるって言ったら、手紙渡しといてって言われた」
なるほど。
昨日のラブレターはコイツからか。
読まずに食べてれば良かったな。
「昨日のうちに言ってくれよ」
「寝呆けてた奴に言われたくねーよ」
正論だ。


その後、用件は昼休みに屋上に行って聞くなど簡単に説明をしたところで担任が登場した為、この話は打ち切りになった。

二時間目が終了したあたりで、凝りもせず諒平が弁当を食べていた。
今日は屋上で食べようと決心した瞬間だった。

何故か今日はやたらと腹が減る。


…諒平の早弁の所為だ。
奴が早弁をするのは今日に限った事ではないが、そうでも思わないとやってられない。



なんとか空腹に耐え、授業を乗り切ると待ちに待った昼休みの到来だ。

空腹でげっそりしながら、のろのろと教室を後にする。
屋上は立入禁止なので、先生に見つかったら怒られる。こっそりと階段をあがった。

それにしてもお腹空いた。もしかしたら告白されるかもしれないと思うとテンションが上がるけど、お腹が鳴るたびにテンションが下がる。

片桐先輩ってだれだ?
俺は一人っ子で兄弟もいないし、先輩に知り合いもいない。
もしかしたら部活の先輩かも?でも帰宅部の先輩って、ただの他人だしな。

そんなことを考えながら階段を上がると、屋上に続く扉の手前に女の人がいた。
あれが片桐先輩かな?
「こんにちは。いきなりごめんね?」
「いえ、大丈夫です。」
なかなかの美人だ。
はかなげな感じがとてもいい。
むしろこちらからお願いしたいぐらいだ。


…それが何かは秘密だが。

「とりあえず、屋上に出よっか」
「いいんですか?」
「バレないから大丈夫だよー」
勇ましい。なんだこの行動力は。
躊躇してないところを見ると、常習犯だな。
「この辺でいいかな…ごはん食べた?」
弁当を持ち歩いてる時点で食べてない事がわかりそうだが。
それにしても風でスカートがめくれて見えそうだ。
しかし世の中そんなに甘くないな。

「いえ、まだです。」
「あたしもまだだから、とりあえず食べながら話しよう?」
言うなり座り始めましたよこの人。
完全にこの人のペースだな。
まぁ、悪い気はしないが。

「あ、自己紹介まだだったね。あたしは片桐仁美。三年生だよ。」
小学三年生ですか。
俺も元小学三年生ですよ。

って俺はロリコンか!
断じて違う!きっと!

「あ、俺は…」
「知ってるからいーよー」
ストーカーですかこの人は。
関係ないがストーカーを国語辞典で調べたら機関車に石炭燃料を入れる人とか書かれていて困惑してしまったことがある。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す