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TRADEAD
その他リレー小説 - ファンタジー

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TRADEAD 18

今日は夢を見ようか悩む。

どう行動するか決めないで見るのは危険だと言う事が、門真さんの言葉から分かった。
しかし、夢の中で動けなくなる前に、色々やらなければと思い焦ってしまう。

焦っても仕方ないとは思うが、夢を見たい気持ちもある。


だが、迂闊に見て嫌な結果になるのは怖い。


どうしよう。

本当に自分の意思で見れないように出来るのか試しても良いな。


とりあえず見るか見ないかを決めよう。
…うん、まだ大丈夫だろうし、見ないのも良いだろう。
ただし夢の事だ。念の為、頭のなかで今日は見ないと唱え続ける事にした。
大変だ。先輩が飛び降りようとしている。早く脱出しなければ。
 
目を強く瞑り―
待ち―
そっと開ける。現実に戻ったら、根性で目を開ける。 
…やはり無理に起きるのは苦しい。
それにしても、あの夢は意識がはっきりしているからこの技が使いやすい。
 
「あれ」
 
思わず呟いてしまった。気付いたのだ…さっきの夢は、あの夢ではない。普通の夢だ。
折角苦しい思いをしたのに普通の夢で少し残念だったが、いざとなったら同じ方法で夢から醒めれば良いという安心感が生まれたのは確かだ。


一応夢を見ない様に再度唱えながら寝る事にした。




 




 




…見事に夢を覚えてなかった。
普通の夢なら見ても良いかなと思っていたが、そう上手くはいかないらしい。

夜中に二度も寝たから今日は寝癖がひどい。
一時間程度、髪の毛と格闘し、朝食を食べ学校に向かった。




…相変わらず素晴らしいな一人って。
素晴らしく淋しい。




ゴボウマニアの諒平が居る学校は素晴らしい。
素晴らしく面倒臭い。
「おはようございます真哉君。約束の品は持ってきたかね?」

何だよ約束の品って。
「諒平にやるゴボウは無いと言いましたよね」
「そんな事よりさ、俺最近本を読むようになったんだけど、読めない漢字があるんだよ」

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