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TRADEAD
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TRADEAD 16

「えぇ、しばらくは自由に動けると思いますよ。」

そうか。
何にせよ、夢の中で自由に動けるようになったようだ。
しかし迂闊に夢を見るとそれが現実になってしまうかも知れないらしい。
今朝の事を思い出すと、どうやら自分の意思で夢を見るか見ないかを決められるようなので、どう行動するかを考えてから、慎重に決めるようにしよう。
突如として予鈴が鳴る。

長居し過ぎた様だ。
急いで弁当の残りを平らげる。
「明日も点検修理の名目で此処に来ますので、何かありましたらお力添え致しますよ。」
「ふぁい…お願いします。」
食べながらだったのでおかしな返事になってしまった。

門真さんは時期を見て職員室に行くらしい。

片桐先輩はもう少し此処に居るみたいだ。

俺は慌てて屋上を出た。

何とか授業に遅れずに済んだようだ。
午後の授業は今までひた隠して来たが、実はとてもつまらない。
俺は夢について考える事にした。


まず、二人で助かる方法は何とかして片桐先輩を止めなければいけない。

力ずくで止めても良いが、確実性に欠ける。

悩みを解決すれば恐らく確実だが時間がかかる。


よし。両方を使おう。

まず悩み解決を出来るだけ行い、タイムリミットに間に合わなかったら力ずくで。



…何だか自信が無くなってきた。
そういえば、屋上が立入禁止になっているのは謎だな。


現実世界では立入禁止になっていても不思議じゃないが、こっちの世界じゃ誰も落ちていない。


もしかしたら、こっちの世界の片桐先輩が落ちたのか?
…いや、落ちてたら騒ぎになっているだろう。
そもそも片桐先輩は手紙を渡す為に諒平に会ってる。


諒平に聞いてみるか。
丁度良く授業が終わった。

早速諒平に聞いてみる事にした。
「諒平、屋上が立入禁止になった理由って何だ?」
「はぁ?何でそんな事…まぁ良いや。柵が錆びてて修理してるからだろ?」

見た感じ修理は終わってるように思えたが。
「まだ修理終わってないのか?」
「さぁ?詳しくは知らないけど、学校側はどのみち危険だから封鎖したかったらしい」
「誰かが落ちたから封鎖したんじゃないのか?」
「…何だそれ?」

訳がわからない。
「そんな噂じゃなかったか?」
「噂?俺それ知らない」

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