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フリークスバスター
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フリークスバスター 6

(ッッ、化剄か、剛剄を更に学ぶ必要が在るな)

リーフォルはそんなことを考えながら地面に倒れた自分へと降り注ぐ刃を見る。剣で辛うじて打ち払うが続けざまに振り下ろされる刃を防ぎ続けることは難しい。リーフォルが奥歯を噛み締めた時、刃が頬を裂いた。

「終わったか」

血が噴水のように宙に飛び散った。



麒麟は燃え盛る家々の中を悠々と歩きながら剃髪の男、そして囲むようにして剣を振り下ろす男たちを見た。

「遅かったか」

淡々とした様子だった。別段知り合ってそれほど立ってない間柄ゆえだったが剃髪の男がこちらを振り向く。その顔が異様な気配に眉を潜め、そして笑う。

「麒麟のフリークスなんて始めてみたぞ。おもしれぇ」

「破戒僧か」

麒麟の右手が雷光を宿し、せめてこの鬼畜どもを粉砕し、せめてもの弔いとしようと考えた瞬間、大地が凍結した。侵食するように大地に走る霜。白い氷が大気を凍りつかせ、そして地面より生えた氷の槍が廻りの男達を貫く!
そして立ち上がる人影。全身が血塗れだった。それは全て返り血。彼の身体に刻まれた傷は頬の一筋だけ。

「ほぅ、咒使いでもあったんか。こりゃヤバイな」

剃髪の男がそう呟きながらも戦棒を流れるようにリーフォルの首筋へと叩きつける。鋼剣が防ぎ、轟音が弾けた。二人の剄が激突の瞬間に弾け、轟音を立てたのだと麒麟の少女が気付くよりも早く二人の間で斬撃と打撃が放たれる。

二人の間で無数の剣と棒が走るような残影が浮かび、同時に火花が踊る。しかし先程とは違うのが一つだけだった。

「ぐうっ!!」

剃髪の男が呻く。リーフォルの剣が苛烈なのだ。本来、剄と咒は異なる呼吸法によって練成される。同時には使えぬ。ゆえに両方を鍛えようとする者はいない。その筈だった。しかしリーフォルは両方をかなりの高度で会得し、更には――――――、

「氷刀(ソルド)!!」

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