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フリークスバスター
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フリークスバスター 4


「なんだ、てめぇは!!」

最後の一人は剣を齧ったことがあるのだろう。獲物である剣を構える。しかし、その刀身が鍔元から切り落とされた。リーフォルの呼吸によって練り込まれた剄が剣を震動させ獲物を叩き斬ったと男が気付けたか。リーフォルの剣を叩き折った刃がクルリと回転し、男の顎から頭上へと斬断した。そして最初の男の生首が地面を転がる。

「屑が」

リーフォルは剣先に飛び散った血を振り払い、脇腹を引き裂いた男の側による。二番目の男は即死傷は与えなかった。勿論即死してないというだけで重要な臓器は練り込まれた柔剄によって悉く壊されている。すぐに死なないだけだ。

「・・・・た、助けてくれ」
「助けて欲しいなら答えろ。なんでこんな村を襲う。別に大した宝は無い筈だ」
「し、しらねぇよ・・・・おかしらが・・・・・今度の獲物は、この村だって・・・・た、頼む、助けてくれ」
「糞が」


リーフォルの剣が冴え渡る冷気のような鋭さを持って男の喉を切り裂く。本人には痛みかっただろう。慈悲は無い。このままみっともなくのたうつ姿が身苦しかっただけだ。リーフォルは視線を廻らせる。全身に突き刺す鋭い殺気を感じた。

リーフォルは辺りを見回し焼け崩れた一軒の家を見つめた。瓦礫と言っても良い程崩れといた瓦礫の中から、その殺気が流れている。

「隠れてないで出て来い」
「おいおい、なんでこんな辺境にこんな達人がいるんだよ。依頼主はそんな話聞いてなかったぜ」

瓦礫の中から現れたのは山賊の頭らしく全身に獣の毛皮を纏った巨躯の男だった。剃髪しているのか、紅い炎に照らされて頭が鈍く輝く。手に握られているのは人並はあろうかという戦棒だった。

「山賊の頭か。なんのようで襲ってきた」
「依頼だからよ。色々な見返りを貰ってるんでね。成し遂げなきゃ徳にかかるだろ」
「ふん、人徳なんざありそうないがな」
「人徳より金徳さ」

人懐こい顔を浮かべているが男に打ち込む隙が見つからない。さて、どうしたものかと思いながら内心を焼き尽くさんばかりの轟々と滾る殺意の炎を必死に押さえつける。

斬り合いってのは武術じゃねぇよ。ありゃ計算だ。最速最高の剣を相手の絶対に死ぬ場所に叩き込めりゃ勝てるんだからよ、という師匠の言葉を思い出した。

「こんのか? 案外慎重なんだな」
「お前に言われたくない。どうせ気配を感じてから潜み、部下が殺されることで剣法の隙を探ろうと癖に」
「ほぅ、よくわかったな」

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