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フリークスバスター
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フリークスバスター 3

いい、と言おうとしたリーフォルの背後で凄まじい爆音と衝撃が弾ける。その圧縮された空気が彼の背中を叩くほどに。リーフォルは嫌な予感に振り向く。

そしてかなり放たれた場所から見えるほど、轟々と燃え盛る炎を見た。明らかに何かが燃えているのを見て、悟った。なぜか、今まで十七年生きていた場所だから。

「なん、だと!?」

村が燃えている。轟々と散散と煉獄の大火に包みこまれ子供の作った絵物語のように空を真っ赤に染めてあげて。普通の火事では在り得ないほどの莫大な火炎が渦巻いていた。
あれほどの炎を生み出すことなど大魔法以外ありえない。しかし、どうしてだ。

「おうおう、燃えておるのぅ〜」
「っ!」

麒麟の花火でも見たような口調に思わず魔剣を振り下ろす。
しかし一陣の雷光が魔剣を粉微塵に粉砕した。

「我に構う余裕がおぬしにあるのか? さっさといかんと生き残った人間も皆殺しじゃぞ」

「・・・・・ここは見逃してやる」
「いいや違うな。我が見逃してやるのだ。間違えてはならぬぞ、人間よ」
「・・・・・ガキが」
「若輩者だが、おぬしより幾許は生きておる」

言葉の一つ一つに隙が無い。今まで出会ったことがある人の誰よりも率直で、何よりも澄み渡っていた。流水に剣を振り下ろしても無意味のように彼女に放つ悪意の刃が飲み込まれていく。

「さっさと去れ」

リーフォルは山を全速力で駆け下りる。
それを見た麒麟の少女は多少顔をしかめ、側にいた朱雀に呟く。

「謝ったほうがいいかもしれんのぅ」


≪剣火殺陣≫

村にリーフォルがたどり着いた時、既に虐殺は下火となっていた。地面に転がる村人の屍。男衆の抵抗の後は見え、子供老人は藁木のように切り裂かれ、女子達は暴行された後、殺されたようだ。明らかに人、それも野党などが行う残酷さだ。

リーフォルの頭が烈火のごとく滾った。そして視線を研ぎ澄ませ村を『感(み)』る。半径五百メートルも無い小さな村、その中で未だに生きている人間の気配を全身で感じ、そして走る。
呼吸によって練りこんだ剄を全身に巡らせ、更に『蛇歩』と呼ばれる特殊な歩法を使う。リーフォルは一気に最大加速となって燃え盛る炎を駆け抜け、そして三人の山賊を視界に捉える。

「ちょろい仕事だったよな。お頭も・・・・・・・」

一番右側にいた山賊の言葉がそれで途切れる。リーフォルの剣が流れるままに頚部を両断したからだ。そのままリーフォルは一瞬も停滞せず、更に二人目のハラワタを引き裂き、最後の一人へと切り込む。

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