暗殺少女 4
─悪霊の始末、お前に任せた─
時は1582年6月21日
京都本能寺での事である…
青白い馬の騎士はその名をペイルライダー、別の名を“死神”とよんだ。
死神のマントの中で、少女“景”は一方的な契約をさせられた。
契約は…
永遠の命を与えられるが、その代償として黒く美しい髪は白くなり、そして…
死神に逆らう悪霊を消す事を任された。
契約後、景は暗殺少女として生きていくようになる。
そう、死神の下で働く“ジャッジメンター”として。
第二話『校倉敏明 前編』
俺の名前は校倉敏明。高二だ。
親父は俺が中二の時に死んじまった。
母さんは元気は無いけど健康だ。
兄貴はずっと遠くの大学に通ってる。
……俺はこれから学校に行くところだ。いつもはチャリだが、今日は電車で行く。
最寄りの駅から歩き、校門をくぐる。秋の風が爽やかだ。
だが、教室へ向かう途中で気付いた。生徒がいない。何故だ?
……今日は、日曜日だった。何だよ、俺どんだけ馬鹿なんだよ。って言うか止めろよ母さん!
……いや、まあ、いいか。
帰ろ。
……遅い。景色が動くのが遅い。違う。俺が歩くのが遅いのか。
親父は天国で元気にやってるだろうか。
親父が死ぬまでは、天国なんてもんあるとは思ってなかった。でもあると思わなければやってられない。
そんな俺を馬鹿にする俺がいる。そんなのある訳ないだろと断言する。
その俺が勝てないのは、天国に行けばまた親父に会えるかも知れない、と思う俺が強いからだろう。
しかし苛々する。しかも暇だ。一日中町中うろつき回ってやる。