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クロノセブンス
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クロノセブンス 9

「おっ新しいのが来たか。前任のやつらはどうなった?右腕左足、綺麗に切り落としたつもりだったんだけど」
自分たちを殺し屋と名乗った男たちはそれを受け、甲高い声で笑い始める。
「あなたは、今から殺されるんです。気にせず死んでください」
リッディはその言葉を聞いた後、何秒間かまじめな顔をしていたが、時が経つほど唇の端が緩み、最後には大声を出して笑い始めた。
「クク、お前らが俺を殺す?アッハッハッハ、俺の腹筋鍛えさせてどうすんだよ」

「あなた、お冗談がうまいね」
「とりあえず、死んでもらうか」
A,Bが同時にしゃべり、また同時に切りかかる。
Aが縦に刀を振れば、Bが横に薙ぐ。
息の合った殺し屋だった。
「何?あんたら、双子か何か?サーカスに入ることをお勧めするよ」
息つく暇も無いコンビネーションを曲刀を使わずに捌くリッディ。かすかに今の状況を楽しんでいるようだ。
「あいにく、俺たちはサーカスの出でね」
「よくしゃべる口だね」
そろえた黒い服、黒い帽子、黒い眼鏡が、同時にしゃべる。
「にしても、データ以上の強さだね」
Aが止まり口を開く。だが、その間中ずっとBがリッディに攻撃を加え続ける。
「それはどうも」
しっかりと受け答えをしながら熾烈な攻撃をかわすと、次はBが下がりAが攻撃を加える。
「まぁ、それでも私たちには勝てないね」
Aがふところへの鋭い突きを放ち、すぐさまBの横に戻る。
「そう、もう終わらすよ」
A,Bが顔を見合すと同時に「口チャック」と唇の端から端に指を移動させる。
「おしゃべりは終わりかよ?」

BはAに短剣を返すと、両腕の袖を捲った。あらわになったBの両腕には、鋭い鉄の鉤爪が装着されていた。
「なるほど、それで手ぶらだった訳か…」
リッディはチッと舌打ちをすると、曲刀を低い姿勢で構え、笑った。
「隠してりゃ俺を殺せたかもしれないのにな、バ〜カ」
「俺の標的はいつも驚いた顔で死ぬ、“何でだ?”てな、今回は大サービスだ、まぁ知った所でお前は死ぬがな」
先に動いたのはBだった、Bは右へ左と飛び回り、リッディを翻弄する。
「チョロチョロ動きやがって…、うざいんだよ!!」
しびれを切らしたリッディも動き始める。リッディの動きも素早いものだったが、彼の曲刀はBの服を微かに掠めるに終わり、当たらなかった。
リッディの苛立ちが頂点に達した時、Bは立ち止まって笑顔で腕を差し出す。挑発だと分かっていた、それでもリッディは斬りかからずにはいられなかった。

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