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クロノセブンス
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クロノセブンス 8

襲い来る刃を曲刀で受け止めると、空いた男の腹部に拳を一撃。
追い討ちをかけるかのようにリッディは男の顔面を殴った。
苦痛に顔を歪める男、最後には糸が切れた操り人形のように崩れ落ちた。
「そうかい、あんたらそんなに死にてぇのか。だったら逝かしてやるよ」
地面を一蹴り、それだけで疾風と化したリッディはすれ違い様に残りの二人を切り捨てる。
一瞬の出来事で悲鳴を上げられなかった二人は、今はもう首から上を無くしていて悲鳴を上げることの代わりに血の雨を降らせ始めた。
鮮血が大地と草を赤く濡らしていく。
「……西か」
リッディの目にはすでに自分が殺した者達など映っていなかった。故に屍を踏めた。
リッディは歩く“西のアリストラ聖堂”目指して。
しかしそれは漠然としていた、ここはリッディにとって初めて踏み入る土地、情報が少なかったのだ。
「殺るだけやって、何も盗ってないや…、何やってんだろ俺」
リッディはさっきの教会に入りもせず、素通りした事を少し後悔した。
「しかし、アイツらが言っていた事が本当か確かめないとな、本当は“アリストラ聖堂”なんて無くて、それを言ったら殺せの合図なんて事も考えられる」
リッディは立ち止まり考え込むと、一度町を探し、そこで休みを兼ねて情報収集を行うことにした。
リッディの町探しは思いのほかすぐ終わった、しばらく歩いていると、教会からそう離れていない場所に町を見つけたのだ。入口の前でリッディはおもいっきり背伸びをしてみせた。
「ん〜っと、金はあるし、そろそろベットで休みたいな…、てまだアイツら追って来てんの?」
リッディは追っ手の気配を感じると、それを彼等にバレないようにゆっくりと町に入っていく。
「どこからつけられてた…」
どんな奴が何人、どんな武器を持っているのか、そんな事よりもリッディはどこからつけていたのかが一番気になっていた。
「俺の腕が鈍ったのかな…」
リッディは人込みの中、財布の中身だけを盗みなが歩く。彼はある程度仕事を終え満足すると、そのまま人込みを抜け、人気のない場所で一人腕を組み、追っ手が出てくるのを待つ事にした。
「いるんだろ?」
リッディが空を見上げてそう言うと、二人の男がどこからか現われた。見た目は両手に短剣を持った小柄な男と、手ぶらの普通の男という感じだった。
「初めましてリッディ君、殺し屋Aと」
「殺し屋Bです」小柄な男に続いて、もう一人も挨拶をした。

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