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クロノセブンス
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クロノセブンス 50


「俺もよ…、人形相手にしてる暇はねえんだよ!!」
リッディは曲刀を握りヨーゼフのもとへ走っていく。近づいてきたリッディ目掛けヨーゼフが斧を振った。リッディはそれをうまくかわすとそのまま斧の上に飛び乗り、ヨーゼフの頭を蹴り飛ばす。リッディはその勢いでブラッドに斬りかかろうとしたが、ブラッドが不敵な笑みを浮かべた瞬間、リッディは右足に違和感を感じた。

「私は失礼するよ」
ブラッドのその言葉と同時にリッディは床に叩きつけられた。リッディが違和感を確かめると、彼の右足はヨーゼフにしっかりと握られていた。
「ライオネル!」
すでに銃を構えていたライオネルは、リッディの言葉と同時に引金を引く。
放たれた弾丸は、ヨーゼフの左手首に吸い込まれるように当たり、本体から分断する。
「!!」
まるで、左手の痛みなど気にしないようにヨーゼフは右手を振り上げ、リッディ目がけて振り下ろす。
リッディに当たる直前で、ライオネルの放った弾丸が、斧の軌道をずらす事に成功するが、破壊するまでには至らなかった。
「この!」
リッディは、左足でヨーゼフの顔面を蹴り、そのまま距離を取る。
「リッディ」
ライオネルはヨーゼフの胸部から銃口をそらさぬまま、辺りを確認する。
「ああ、野郎の姿が見えねえ。逃げたな」
ブラッドの姿はすでに王の間から消えていた。
「おい、くそじじい」
リッディの曲刀の切っ先はライオネルに向けられている。
「俺か?」
「おめぇしかいねぇだろ?ここには俺と、死にぞこないの人形と、あんたしかいないんだから」
ヨーゼフはこの隙を利用して左手を再生する。

「あんたがとろいから、野郎に逃げられただろ?」
無茶苦茶である。
「俺のせいかよ?」
ヨーゼフはリッディとライオネルを殺せと命じられているため、必殺の間合いをとり、二人の様子をうかがう。
「ああ、そうだよ。これでさっきの借りは無しな?」
「お前なぁ。」
ライオネルは困った、という表情を浮かばせる。
「仮にも義賊が、義理人情はしっかりやんなきゃだめだぜ?」
「俺は義賊じゃねぇ!」
吠えるリッディ。
っと同時にヨーゼフもリッディへ切りかかる。

瞬間、3人の(一人は人間ではないが)耳を轟音が支配する。
土煙を立てながら、崩壊する王の間。

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