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クロノセブンス
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クロノセブンス 51

「今度はなんだよ!」
度重なる出来事にイライラの募ったリッディはファランクスの力で突風を起こし土煙を薙払う。
「なんだとはなんだ!一人だけ除け者にして!!」
崩れた壁の上で長剣を構え、ボロボロの服を纏ったイーグリットがそこにいた。
格好から察するに、一人荒野で目覚め、色んな所を走りリッディを探し、途中で不穏な空気の漂うここを見つけるが、蛇の化け物の大群と出会いそれらと戦闘し、殲滅に成功するが、満身相違と言った状況か。
「げ、ガキ!」
「お、優秀なお仲間参戦ですかい?援護は俺に任せろ!あとは二人で好きやってくれればいい」
ライオネルは銃を構えてヨーゼフに照準を合わせる。そしてリッディは突撃した…、イーグリットに向けて。思わず苦笑いするライオネル。

「おい、お前ら!今は仲間割れしてる場合じゃねえぞ……、どはっ!!」
リッディたちに顔を向けている隙にヨーゼフの拳がライオネルを吹っ飛ばした。その衝撃で更に王の間は崩れていく。

「クッ、化け物め…」
ライオネルは口から流れる血を拭うと、震える手で再び銃をヨーゼフに向ける。しかし殴られた影響からか視界がぼやけ、ヨーゼフの姿をはっきりと見る事ができなくなっていた。

「クソッ、こんな所で死ねるかよ!!」
ライオネルが叫んだ時だ。彼の目に信じられないものが映った。ヨーゼフの後ろに伝説上の生き物ファランクスとデジュ・イネーブが現れたのだ。彼は目を細めるとそのまま意識を失った。

…………オッサン!!

「オッサン、起きろ!!」
「ん…、ここは?」
「何寝ぼけてんだ、早く行くぞ!!」
ライオネルが立ち上がり顔を上げると、そこにはヨーゼフがいた。青い炎をまといながらドロドロになっていたが、訳の分からない言葉を発しながら少しずつこちらに近付いてくる。

「アイツはヤバイ…、おじさんここは逃げますよ。アイツは僕が引きつけておきます、リッディと一緒に先に逃げてください」
イーグリットはヨーゼフに向け剣を構える。リッディは舌打ちをすると出口に向かい走り始めた。ライオネルもそのあとを追う。

「いいのか?彼一人に任せて」

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