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クロノセブンス
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クロノセブンス 48

リッディの足元に転がったのは下半身が蛇、上半身が人にそっくりなモンスターだった。それは泡を出しながら次第に液体へと姿を変えていき、異臭をはなちながら短時間で蒸発していった。リッディはその様子を見届けると、顔を上げライオネルに問い掛ける。

「俺は“あの男”の息子だぞ?何故助けた」
「お前の親父に恨みはあるが、お前に恨みはない。以上だ、他に理由なんてねえよ」
ライオネルの答えにリッディは首を傾げるが、すぐさま何か気付いた顔でライオネルの手を引っ張り、彼を立ち上がらせた。


「オッサン。化け物の群れを突破して脱出するのと、ブラッドを追跡するのどっちがいい?」
「何言ってやがる!ブラッドを追跡すんに決まってんだろ!」
「じゃあ問題ないな」
リッディはその言葉と同時にライオネルを穴に蹴り落とした。そして自らも飛び降りる。急降下する彼はライオネルに並ぶと肩を叩き、上を指差した。
ライオネルは上を見上げる。リッディが指差していたのは飛び降りてきた侵入口だった。そこから気持ち悪い程の量の蛇人間たちが溢れだし、落ちて来ていた。
下は真っ暗闇。ライオネルにはどこまで続くか全く分からなかったが、リッディは何かを察知するとライオネルを抱き寄せる。
ライオネルは目を細めるがリッディはそれを完全に無視し、右手を下に向け何かを放った。二人は見えない盾の様なものに囲まれると落下がおさまり宙に浮いていた。真横を蛇人間たちが落下していき、水しぶきを上げて消えていく。
ライオネルは下にうっすら映っている自分の姿をみて、そこが水面なのだと気付いた。

「何で宙に浮いてるんだ…」
「余談はあとにしてくれ、それよりあの足場まで泳ぐぞ」
「このまま飛んで行けばいいだろ」
「出来たらやっている!」
リッディがそう言った直後に二人は水の中に落ちた。足場まで水の流れにのっていく二人。足場に辿り着き上ろうとすると、そこには蛇人間がガタガタと奇妙な動きをして待ち構えていた。
銃を抜こうとするライオネル。しかし彼の右手は動かなかった、埋め込まれた宝石を中心に体全体が熱くなり意識が遠くなっていった。暫くして意識を取り戻すと彼は足場で一人横になっていた。

「チッ足手まといって事か…」

――――――
「クックックック……、アーッハッハッハッ!!」
王の間に“その男”はいた。王を守ろうとその男の道を阻む兵士たちは皆、苦しみの声を上げ蛇の化け物へと姿を変えていった。

「何が目的だ!!ブラッド・グランスウォール!!」

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