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クロノセブンス
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クロノセブンス 47

「ぐふっ…、殺るなら早く殺れよ!!!」
ブラッドの腕を掴み、吐血しながら大声で叫ぶライオネル。ブラッドは無表情のままライオネルの腹から真っ赤な腕を引き抜くと、倒れた彼の耳元で囁く。

「こんな事で死なれちゃつまらないよ…」
どこから取り出したのか、ブラッドの掌には緋色に光る宝石がのっていた。彼はゆっくりとそれをライオネルの傷口に埋め込み始める。

「うがああああ!!」
ライオネルの傷に埋め込まれた宝石は徐々に傷と一体化していき、最後には彼の体の一部となってしまった。

「ここの囚人達の“心は解き放った”。奴らに喰われないよう精々努力する事だな」
「ま、待てよ…」
立ち去ろうとしたブラッドの足を、ライオネルは床に這いつくばったまましっかりと掴んだ。
「逃すかよ…」
「その手を放すなよ、ライオネル!!!」
「………」
俯せのライオネルの真上に突如リッディが現れると、彼は素早くブラッドに斬りかかる。斬撃を避けようと片足を引くブラッド、しかしもう片方の足がライオネルに掴まれて動けない。
ブラッドが舌打ちをするのと同時に、リッディの曲刀がブラッドの腹に直撃する。ブラッドは斬撃の勢いで吹き飛ばされると、牢の壁をぶち破って消えた。

「しとめたか…」
「どうやらハズレみたいだぜ、オッサン」
崩れた壁にリッディが歩み寄ると、そこには下へと続くとてつもなく深い穴があいていた。穴からは水の流れる音が聞こえてくる。

「まさかリッディの親父がブラッドだったとはな。」
「邪魔はするなよ?奴は俺の手で葬り去るんだからな」
「どこの家庭も親父は嫌われる存在なのかもな」
ライオネルは突然リッディに銃口を向けると、躊躇なく引き金を引いた。牢の中で数発の轟音が鳴り響く。

「この借りは親父の命で返せ」
ライオネルが撃ったのはリッディの後ろに立っていたモンスターだった。ライオネルは自慢気に手もちの銃を回してみせる。

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