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クロノセブンス
その他リレー小説 - ファンタジー

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クロノセブンス 46

ライオネルの勘違いにリッディが飽きれた顔をしたが、彼はそれに気付く事もなく次々と兵士を平伏していった。

「もうすぐだリッディ君!!」
「…てめぇ」
ライオネルは自信に満ち溢れた顔で後ろを振り返った。

「さぁ早く父上を探したまえ」
ライオネルの手をひろげた方向をリッディが見てみると、暗い通路の左右を鉄格子がズラリと奥まで続いていた。

「何故捕まったかは知らんが、ここから逃げたら親父さんと仲良く暮らすんだぞ?」
「あのなぁこんな所に親父がいるわけないだろ?それに親父はそんなに弱く、ねぇ……」
「久しぶりだなリッディ…」
リッディが牢屋の中を一つ一つ覗きこむと、突然中の囚人から声をかけられた。

「…お前、こんな所で何してんだ!!」
リッディはそう叫ぶと鉄格子を曲刀で破壊して中の囚人に襲いかかる。囚人は表情一つ変えず微動だとしない。笑顔のライオネル。
リッディの曲刀が囚人の頬をかすったが、彼は全く動じない。囚人の頬から赤い線が首までたれていった。

「会いたかったぜ。ブラッド・グランスウォール…」
「ブラッドだと…、ブラッド・グランスウォール!!!」
リッディが父親に曲刀を向け不気味に笑っていると、通路にいたライオネルが叫び声をあげ、二人のいた牢屋に乱入してきた。
暴走したライオネルの左腕がリッディを壁に叩きつけ、もう片方の手はブラッドの頭に銃を突き付けていた。

「死ね、クレアの仇だ!!!」
ライオネルはそう叫ぶと一瞬の間に数か所の急所を狙い、引き金を引いた。この至近距離で外すはずがなかった…
しかし、ブラッドは生きていた。悪魔のようなその笑みを浮かべて。

「チッ“魔壁”か…」
銃弾はブラッドの前で紫色の光に包まれ宙に浮いている。ライオネルが呟いた瞬間、ブラッドの右腕が彼の腹部を貫通した。

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