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クロノセブンス
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クロノセブンス 44

グランスウォールという名を聞き、顔をしかめるライオネル。
「グランスウォール・・・・・・」
「なんだよ」
神妙そうな顔になったライオネルを見てイライラするリッディ。
「いや、なんでもない。ここらで不思議な石や妖精を見なかったか?」
「・・・・・・知らん」
吐き捨てるように言い放つリッディ。
少し前のリッディなら妖精なんて言葉を聞いた時点で相手を罵りそうだが、不思議な石である「ライオンハート」や幻獣と関わっているため他人事ではない。
「そうか、変なことを聞いてしまったな」
そう言いながら頭を掻くライオネル。それをやめると次はキョロキョロと辺りを見回す。
「あれはお前の友達か?」
ライオネルが指差した先にはイーグリットが転がっている。
急につまらなそうな顔になるリッディ。
「友達・・・・・・ありえねぇな」
苦笑いしながらイーグリットの元へ歩み寄るリッディ。
「そうか、じゃあ俺はもう行く。じゃあな」
ライオネルはリッディに背を向け、さも行き先が決まっているかのように歩き去る。
「何だったんだ?あのオッサン…、まぁおかげで助かったけど」
リッディは視線を足下に移すと、そこに倒れていた黒子の腹を蹴って仰向けにする。

「さてと、誰からの命令かな…」
仰向けになった黒子が虚ろな目を開けると、鬼の形相とかしたリッディが立っていた。
――――
「思った通りに動いてくれるな…」
少年たちのもとを去ったライオネルは森の中を音もなく走っていた。彼の視線の先には木々の間を飛び移る叉の国の黒子がいる。

「せっかく逃がしてやったんだ、しっかりボス猿の所まで案内してくれよ…」
黒子を追跡していると視界はひらけていき、崖に辿り着いた。黒子は戸惑いなくそこから飛び降りる。その先にあったのは…
「ビグ城だと…、黒子はシルフィンの手先という事か?」
ライオネルが崖の上から見ていたのは、ついこの間侵入したばかりの城だった。

「おい、ここで合ってんだろうな?」
ライオネルが急いで後ろを振り向くと、リッディが黒子に曲刀を突き付けて立っていた。
「ああ」

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