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クロノセブンス
その他リレー小説 - ファンタジー

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クロノセブンス 43

「チッガキは死んだか…、まぁいい俺が一人で相手して殺るぜ!!」
黒子達に囲まれたリッディは、三匹の狼と共に大地が震える程の遠吠えをした。

―――――――――
数刻前―――
「おいオッサン、“石”なかったぞ」
「はて?“石”とは何の事ですかな?」
村長の惚けた顔を見ると、ライオネルは頭を振りながら俯いた。

「おいおい、賊を追い払う代わりに“石”の在処を教えてくれると―」
「“親子が仲直りできる石”がホントにあるのですか?冗談で言っているのかと…」
ライオネルは村長に背を向けると片手を振って家から出て行こうとした。
「ライオネルさん!!私達はアナタに感謝しています」
村長がそう言うとライオネルは背中を向けたまま「ああ」と返事をしてその家を出て行った。

「まぁ確かにそんな夢のような“石”があるとすりゃ、シルフィンの城しか浮かんでこないか」
ライオネルがブツブツ呟きながら歩いていると、遠くの夜空で青く光る炎の翼を目にした。しかしその炎はすぐ夜空に吸い込まれるように消えていった。

「何だ…、今の」
ライオネルは何かに呼ばれているかの様に走り出した。あの青い翼が“例の石”を運んでくれたような気がして。
ライオネルが走って行くと化け物の、いや“精霊”の声が地面を轟かせた。「近い」ライオネルは淡い期待から走る足を速めて行った。
しかしそこで待っていたのは…
10数人の黒子たちと子供二人だった。黒子の半分の殺気がライオネルに向けられる。

「血の匂い…。俺は精霊さんに会いに来たんだがね、お前らがやる気なら仕方ねぇ。相手になってやるよ」
ライオネルは素手で構えると、飛びかかってきた黒子たちを次々に地面へ叩きつけ、気絶させていった。

「おいガキ!!大丈夫か?」
「ガキ!?俺は…リッディ・グランスウォールだ!!」
リッディはその返事と共に黒子達を地面に叩き伏せた。

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