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クロノセブンス
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クロノセブンス 42

そして、いつ現れたのかリッディ達の周りに三頭の狼が現れる。
「力の使い方は簡単だ。イメージしろ。自分が倒した奴がどんな奴だったか。どんな事ができそうか。感じるんだ。」
狼が睨みを利かせているため、迂濶に動くことができない黒子達。
「行け!!」
リッディが何を持ってない左手を水平に払う。それを合図に狼達が駆け出す。
狼達はすぐにトップスピードにのると、頭からほぐれるように真空の刃へと姿を変える。
黒子達は柔軟な思考で各々の方向へ散らばる。話しかけてきた黒子を含めて15人の黒子達を追尾する風の刃。
意思を持ったようにウネウネ動きながら黒子達に迫る。
いつの間にか、黒子達は二つの場所に分けられ、集められていた。
「右は俺がやる。左はてめぇがやれ」
そう言うが早いか、風を巧みに使い右に集めやれた黒子達に迫るリッディ。
(イメージする。デジュ・イネーブの力を)
リッディに言われたことを頭の中で反芻させるイーグリット。
ボケッとつったっているイーグリットに、警戒しながらも距離を縮めていく黒子達。
(デジュ・イネーブの熱線・・・)
掌を一人の黒子に向けるイーグリット。その掌には着々とエネルギーが集められていた。
危険を感じた黒子は、イーグリットの挙動に注意しながらも近づき続ける。
十分に力が集まったことを感じ、イーグリットはエネルギーを更に圧縮、黒子の方にだけ圧縮を弱めることで熱線を発射する。
距離も近かったため、発射された熱線に気付くこともなく、灰となることもなく存在を消される。ただ存在していたことを伝えるのは、青白いプラズマのみ・・・・・・
仲間が一人消されても動じない黒子達。
だが、仲間が殺されたことは彼等の行動に活きる。
全ての行動にフェイクをいれ、動きが読みずらくなっていた。
(炎の翼と・・・・・・別に熱線は掌からじゃなくても打てるんじゃないか?)
イーグリットが思ったように背中から青い炎が映える。
さらに、空中にエネルギーを集めようとするがうまくいかない。
(だったら・・・・・・)
エネルギーを圧縮して作られた飛竜をイメージするイーグリット。リッディが風の狼を作った原理だ。
掌サイズの飛竜がイーグリットを取り囲む。
「行け!!」
飛竜を飛ばした後、イーグリットも炎の翼を使って黒子達に接近する。
黒子の一人が接近してきた飛竜の一匹を鎖鎌を使い、器用に叩き落とす。
「まだ“詠唱者”としては未熟のようだな…」
その黒子は一度地面に手を着くと、瞬時にその姿を消し宙を舞うイーグリットの目の前に現われた。

「力の使い方が分からぬのか…、無念だな?」
黒子はイーグリットの首を掴むと、彼を頭から地面に放り投げる。地面に落ちていく中、イーグリットの背中の炎の翼は全部抜け落ち、地面に叩きつけられると彼は気を失ってしまった。暫くするとイーグリットの顔の上に空から青い羽が一つだけ落ちてきた…

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