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クロノセブンス
その他リレー小説 - ファンタジー

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クロノセブンス 38

そう、それは“第3のお客様”の物語…


「女は殺すな!!他は皆殺しにしろ!!」
炎で包まれた村の中、一際目立った髭面の大男が、斧をもった男達にそう命じた。男達は雄叫びを上げて走っていく。
「この村は絞り過ぎたか、女以外何も残ってそうにないな…」

「そうでもないぞ、俺にはたんまり報酬を約束してくれたしな」
大男が炎の中を見つめると、いたって普通の体格をした男が、こちらに向かって歩いて来ていた。
「ん?村長め、隠しておったのか…、まぁいい、貴様の首をもって村長を脅せばすぐ手に入る話だ」
「お前に殺られる程、落ちぶれちゃいない…」
男は足に巻き付けたホルスターから銃を抜くと、大男にそれを突き付けて撃った。
鳴り響く銃声。
「なんだ?そのおもちゃは。遊びのつもりか?」
ライオネルは大男の体をまじまじと見つめる。そして、がてんがいったのか、手をポンとうつ。
「そうか、これを知らないのか。まぁ、自分の体を見てみな」
大男の大きな腹にポッカリと空いた風穴。そして、それに気付いた大男の顔は見る見るうちに青ざめていく。そして、滴り落ちる血液と共に膝をつく大男。
「な、何をじだ」
器用に銃を回すライオネル。
「何って、撃ったんだよ。こう言う風に」
大男の頭に狙いをつけ、引金を引くライオネル。
響き渡る銃声。
自分の作った血の海に、沈みゆく巨体。
「また、つまらないものを撃っちまったぜ」
ライオネルはかっこつけて、銃口から出る硝煙を吹くが、唇をつけてしまい、思わず引き離す。
「誰も、見てないよな」
周囲に人影がないのを確認するライオネル。
「さてと・・・・・・」
銃をしまうと、村人を救うためかその場をあとにするライオネル。あとには、ただ頭を無くし、腹に穴をあけた血まみれの死体が残っていた。

教会、大陸全土に広がる宗教の面影は今はなく、ただ富と権力を貪る者たちと、悪意の巣窟になっていた。
日は沈み、ロウソクが唯一の灯りとなっている今もそれは変わらない。
「くっ、余を侮辱するか!!」
剣がはしり血に濡れる剣身。
「王よ、お気をお静め下さい!」
銀髪の少年王は肩で息をしながら努気に身を震わせる。
「放しなさい、ヨーゼフ。シルフに現実を見せなければ」
ヨーゼフと呼ばれた厳つい男は斬られた本人の叫びを無視して、二人を引き離す。
「王よ、シルフェイン様。コーネリア様を斬るなら私をお斬りください」

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