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クロノセブンス
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クロノセブンス 36

イーグリットがよそ見をして歩いていると、さっきまで隣りにいたロイの姿が無くなっていた。
「はいはい、一人で来いって事ね…」
イーグリットは一人で遺跡に向かう、暫く歩くと遺跡は変わらずそこにあった。
石でできた不思議な建物、それがスプーレの近くにある遺跡だった。イーグリットは前に盗賊を縛りつけたロープが切られて落ちているのを確認すると、遺跡の中に入っていく。
「どこだ!!ロイ・フォーハル、ス…」
イーグリットは思わず言葉を詰まらせた。
「こんな扉あったっけ…」
イーグリットの目の前には巨大な扉があった、それはあまりにも大き過ぎて、上を見上げても扉の終わりを見る事ができない。
「さて、ロイがいるかも分からないこの怪しい扉、開けるべきかどうか─」
イーグリットはそう言いながらも、扉を勢いよく蹴って開けた。
「まぁ考えてる余裕はないな」
扉の先は星空の輝く不思議な部屋で、“第1のお客様”が光に当てられていた。勿論ロイもいたが、偉そうに椅子に座っている。

「さて2人揃いましたね、とりあえず椅子に座ってください」
ロイがそう言うと、星型の奇妙な卓を前に2人は腰をおろした。イーグリットは落ち着いた様子だったが、“第1のお客様”はなにやらイライラした様子だった。
「おいロイ!!さっさと宝石とってもらおうじゃねえか!!」
「そんな大声出すなよ、こっちまでイライラしてくる」
「お前に用はねえ!!すっこんでろ、ガキ!!」
「ガ、ガキだと!?見ればそんな年は変わらないじゃないか!!」 
「まぁまぁお二方、落ち着いて」

『お前が言うな!!』

“第1のお客様”とイーグリットの口喧嘩をロイは止めようとしたが、最終的に彼らの矛先はロイに向けられていた。
「ゴホン、それではまずリッディから、君の宝石を取る為には“ファーブニル”という怪物を倒さなくてはいけないのですが、それを倒す為には…、星の卓には後二つ椅子が空いているでしょ?そこを埋めなくてはいけません」
“第1のお客様”であるリッディは、卓に両足を乗せて説明しているロイを睨みつけていた。
「次にイーグリット、君は石の力を引き出すともっと強くなれる、焦る事はありません、ここにいれば自然とその力が身に着くはずですから」
イーグリットはロイの説明に数回頷いた。
「で、あと2人はいつくんだ?」

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