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クロノセブンス
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クロノセブンス 34

「お前“二大盗賊”を知らないで盗っ人町に来たのか?その手配書の男はその片方の盗賊団の首領だ」
「どこにいる」
「話すからこの剣をおろせ」
「………」
「分かった、おめぇらナイフを置きな」
3人の男がナイフを地面に置くと、イーグリットも背中に剣をおさめた。
「今はここにいない、この前仲間割れがあってな、その首謀者を追ってるらしい」
「…答えになってない」
「俺が知ってるのはそれだけだ!!」
「どこにいるかが知りたい」
「しつこい奴だ…」
「教えてやる、私についてこい」
イーグリットが背の低い男を睨んでいると、その男の後ろから突然袴姿の男が現われてそう言った。
「君の探している“ポーラー”という男、私は居場所を知っているよ」
「どこだ!!」
「君のよく知っている場所…、“スプーレ”さ」
イーグリットは軽く頷くと、何も言わずに走り出した。盗っ人町からは大分距離がある、普通なら一日あっても辿り着けない…、普通なら。
イーグリットは人並み外れた速さで走り、日の落ちる前に“墓の村”スプーレに帰って来た。
夕日に染められた“死んだ村スプーレ”風の音が妙に虚しく感じられる。
「皆…、ごめん…」
スノットと一緒につくった墓の中を進んでいくイーグリット。彼は何かに気付くと立ち止まり、俯いた。
「あの男、何で僕がスプーレを知ってるって…」
気味が悪かった、『君のよく知っている場所』を当てた袴の男。夢中で帰ってきたせいか、その言葉に違和感を感じるのが遅れてしまっていた。
「もしあの男が言っていたのが嘘でないとしたら」
イーグリットは頭を上げた。さっきまで人一人いなかったはずなのに、そこには数人の男達がたむろして、イーグリットを睨んでいた。
「お前達がこの村を…、死ねよ!!」
イーグリットは長剣を抜くと地面を蹴った。すると男達の中から一人だけ前に出て来た者がいた。手配書の男だ。必然的にイーグリットの手に力が入る。
次の瞬間、何かが爆発するような音が響く。イーグリットの体が宙を舞い、そして地面に叩きつけられた。ポーラーが倒れたイーグリットに歩み寄ってくる。

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