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クロノセブンス
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クロノセブンス 27

厳つい男は銀髪の少年と顔を合わせると挨拶をした。
「どうだった、その二人は戦力になりそうか?王よ」
「門に着いた時には既に包囲されてて、力は見ていない」
厳つい男は銀髪の少年を“王”と呼んでいた。イーグリットたちは聞き間違いかとも思ったが、部屋にただ一つの椅子にその少年が座ると、二人はなんとなく納得した。無論疑問だらけだったが、王の会話は続く。
「でも“右近”“左近”を倒したのだから、資質はあるであろうな」
「おぉ、あの二人を倒したのか、それは期待できるな…、お前らには“遺跡”に行ってもらう」
王の話を聞くと、厳つい男はイーグリットたちを指差しそう命じた。急な命令にイーグリットたちは困惑した表情をみせる。
「じゃじゃ馬だろうがなんだろうが、今は戦力が必要なんだ、やる事は馬車の中で伝える、以上だ、連れて行け」
厳つい男が出口を指差すと、イーグリット達は兵士達に連れて行かれる。連れていかれた先には馬車があって、中に入ると直ぐに馬車は動きだした。
馬車の中には仮面を被った怪しい男が一人座っていた。
「言っとくが俺は怪しい者なんかじゃないぞ」
と本人は言うがイーグリット達は白い目をしていた。
「俺はお前達の監視役だ、まぁ遺跡までだがな…、にしても若いな、ホントにお前達で大丈夫なのか?」
仮面の男は一人でどんどん喋っていく。
「今回お前達二人にやってもらうのは、とある遺跡に眠る宝石を取って来てもらうというものだ…、もう何人も送っているのだが、誰一人帰ってこない」
「そんな事は僕らに関係ない!!行こうスノット」
「待て、今逃げてもお前達はすぐに殺される、賞金首になっているからな、死にたくなければ…」
「イーグリット、馬車動いてるのに危ないよぉ」
「鼻水の言う通りだ、もっと周りを見ろ、A級ハンターに囲まれているんだぞ?馬車を飛び降りた途端、瞬殺だ」
イーグリットは眉間にしわを寄せ辺りを見渡した、確かに馬車の速度に合わせて森や林の中を何かが走っている気配がする。
「子供とはいえ教会に喧嘩を売ったんだ、普通は晒し首だ…が、お前達は運がいい、この仕事があるからな」
仮面の男は頬杖をつくと、イーグリットに古い指輪を手渡した。
「これがないと宝石は回収できんそうだ…、なに、心配しなくていいお前達が死んでも指輪は入口に戻ってくる、お前達の屍と共にな」
イーグリットは考える、考えてる間も馬車はどんどん進んで行く。結局その答えが出る事なく、遺跡に行き着いてしまった。
「これこれ、このでかい山が遺跡ですよ、さぁ降りてください」
仮面の男はイーグリットたちを降ろすと、先頭に立ち入口まで歩き始めた。林の中からは気配がする、相変わらずA級ハンターたちはイーグリット達の逃げ出すのをつけ狙っているようだ。
「この遺跡に宝石があるわけだが、それを幻獣が守っているらしい、笑える話だが実際そうらしい…」
「そんなに宝石が欲しいなら自分たちで行けばいいじゃないか!!」

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