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クロノセブンス
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クロノセブンス 26

「教会に用があるんですが、通していただけませんか?」
イーグリットの質問に二人の兵士は笑った。子供がいたずらに来た程度にしか思っていないのだろう。
「失礼だが、学校はここを西に──」
鎧兵が顔を近付けてイーグリットに道案内をしようとした瞬間、その兵士は地面に叩き伏せられた。イーグリットの空中踵落としが兵士の頭にクリーンヒットしていたのだ。
「ふん!!」
間をあけずにもう一人の鎧兵が、斧をイーグリット向けて振り下ろした。
イーグリットは斧を側面を蹴り、その軌道をずらす。斧が地面に食い込むと、そのまま鎧兵の腕に自分の足を絡ませ、体をねじり、そのまま鎧兵を一回転させて倒した。
その間に踵落としをくらった兵士が斧を低く横に構え、放った。イーグリットはそれを飛んでかわすと、ガラ空きになった兵士の脇におもいっきり蹴りをいれた。
イーグリットが蹴っ飛ばした兵士を見ていると、後ろからもう一人の鎧兵が斧を振り上げる。両腕を上げた為にガラ空きになった胴体、イーグリットは振り向くと迷わずそこに蹴りをいれた。
門の前にいた二人の鎧兵はスノットの目の前で倒れていく。それはあっと言う間の出来事だった。
イーグリットは急いでスノットの方を振り向く。
「スノット!!怪我はないか?」
「うん」
スノットは口を開けて鼻水を垂らしていた。その様子はオドオドして見えたが、両手でしっかりとイーグリットの渡したナイフを握っていた。刃にカバーをつけたまま。
鎧兵は倒せたが、他の兵士たちがすぐにイーグリットたちをとり囲んだ。二重三重と囲まれ二人は逃げ道を失ってしまった。
「武器を捨て速やかに投降しろ」
幼い声が聞えた。兵士たちの中から銀の髪をした少年が顔を出す、兵士たちは頭を低くして道をあけた。
「田舎者よ、私の留守中であったら二人共晒し首だっだぞ?」
銀髪の少年は額に手を当てると首を左右に振り、軽く手を振った。それを合図として兵士たちがイーグリットたちを捕まえた。
スノットはもちろん、イーグリットも抵抗せず兵士たちに連れて行かれる。教会の“門”を通って。
銀髪の少年を先頭に通路を歩いて行く、じゅうたんが敷かれた通路はまっすぐその部屋へ案内してくれた。
大きな部屋。部屋の上の方には縦長の大きな窓がいくつもついていて、そこから太陽の光がさしている。一番奥に飾られた椅子が一つだけ置いてあって、その隣りには髭を生やした厳つい男が立っていた。
銀髪の少年はその男に向かって歩いていく、勿論イーグリットたちもその後に続いて。

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