PiPi's World 投稿小説

クロノセブンス
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 21
 23
の最後へ

クロノセブンス 23

イーグリットの頭を電気信号がはしり、たくさんの疑問・・・・・・そして、答えが出た。
何故、盗賊の下っ端が遺跡にいたのか。
父が討伐に行った盗賊はどうしたのか。
そして、導き出される答えは・・・・・・
「走るぞ!!スノット!!」
言うがはやいかイーグリットは走り出していた。
スノットは急に走り出しイーグリットに対応できない。
「待って、待ってよぉ」
スノットの声が小さく、遠くなっていく。
「くそ!思い違いであってくれよ」
鬱葱とした森の中、木立の隙間から光が覗く。
あとちょっと、あとちょっとで村につく。
一刻も早く村に着く為に、イーグリットは最後の力を振り絞り走った。
枝で肩を切り、木の根で転び、木立の隙間から飛び出たイーグリットを待っていたのは・・・・・・残酷な運命だった。
片っ端から焼かれた家。
大人も子供も容赦なく殺されている。
思考が固まり、立ち尽くしたイーグリット。
そして意識のある者を探す為、走り出す。

スノットの両親も、留守中食べ物の世話をしてくれたお姉さんも、村の長老も、みんな血を流して倒れていた。
感情の堤防にひびが入った。
ふらつく足取りで、避難所の洞窟に向かう。
自然災害に襲われた時に、避難する洞窟の入口は業火を吐き出し続けていた。
そして肉を燃やした時の焦げた臭い。

イーグリットの中の大事なものが崩れていく。
「父ちゃんたちは出かけてくるから、留守を頼むぞ」
父の言葉が呪文のように頭を駆け巡る。
めまいが視界を奪い、頭痛が考える能力を奪っていった。

「・・・ぅ・・・ぅぅううぉぉぉおぉおお!!」
咆哮せずにはいられなかった。
地面に残った蹄の跡に沿って走り出すイーグリット。
体を動かし、復讐することを考えないと自責の念で押し潰されてしまう。

「・・・・・・!?」
走り出したイーグリットの腕を誰かが急に掴む。
掴んだのはスノットだった。
「だめだよ・・・・・・イーグリット」
「何がだめなんだよ!僕のせいで、俺のせいでぇ!!」
押し殺そうとした感情が頬を濡らす。
「今のイーグリットは死に急ごうとしてる」
「だけど・・・・・・僕のせいでお前のとうさんは」
スノットはかぶりを振る。
「人の生き死には運命で決まってるってとうちゃんが言ってた。だから、悔やむ事なんか無いんだよ」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す