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クロノセブンス
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クロノセブンス 22


イーグリットが木刀を抜くと、草むらから“いかにも”盗賊といった男が1人出てきた。

「なんだ背中の剣はタダの木刀だったか…、ビビらせやがって、死にたくなきゃ金出しな!!」
「ん〜っと…、名前は?」
 「なんだとぉ?」
「だから名前は?」
「クソガキ!!生かしてかえさねぇ!!」

イーグリットの冷静な質問は、盗賊の怒りに火をつけた。盗賊がナイフを持ちイーグリットに襲いかかる。
イーグリットは木刀でそのナイフを払い落とすと、次の一撃で盗賊を地面に叩きつけた。盗賊の意識はない。
「この弱さで、単独行動は考えにくいな…」
「じゃあまだ近くに仲間がいるって事?」

イーグリットが顎に手を当て考え込むと、スノットが心配そうな顔で彼に寄り添っていく。

木刀を構え、30分経過…

盗賊の仲間は現われなかった…、イーグリットは念の為、気絶した盗賊を縄で木に縛りつけると、村へ帰る事に決めた。

「あの盗賊おいてきて良かったの?」
「スノット、下っ端じゃ捕まえても意味ないんだよ、明日また探しに行こう」

村に帰る途中、イーグリットは「どう村の人をびっくりさせてやろうか」を考えていた。
例えば、落石を落としそれを自分で防ぐ。とか。
例えば、モンスターを何体も生け捕りにするとか。
「イーグリットぉ」
例えば・・・・・・
「イーグリットてばぁ」
例えば・・・・・・
「聞いてる?イーグリットぉ」
「うるさい!人が大事な事を考えてるってのになんだ?」
スノットが村の方向を指差す。
「あれ、けむりじゃない?焼き芋大会してるのかなぁ」
村の上空には悪意の塊のような黒いけむりが渦巻いていた。

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