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クロノセブンス
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クロノセブンス 18

「今だ!!」
「うるせえ、分かってる!!」
白い世界の中、ロイが言ってリッディが答えた。
「ふざけやがって!!」
バドラは声のする方に双剣を投げつけると、アグニ同様鉤爪を装備した。
アグニは神経を風に集中した、視覚がきかなくとも、風を感じれば戦えると踏んでいたのだ。
「か、風がない、…ハハハ、何だこりゃ…」
アグニの今まで経験は通用しなかった。光の空間ではアグニとバドラは無力化していた。
「何処からくる…」
アグニとバドラは背中を合わせ守りにはいった。
スッ…、バドラは何かの気配を感じた、それはファランクスと呼ばれる神話の幻獣だった。三つの首と無数の尻尾をもった幻獣…、バドラは生きた心地がしなかった。
「あ、アグニ…、ファランクスがいるよな…」
「お前も感じてたか、まさか化け物まで用意してたとはな…」
「く、来るぞ!!」
それは一瞬だった。何百発という攻撃がアグニたちを襲った。そしてその時だけ、風を感じる事が“許された”。
気がつくとアグニは倒れていた。バドラはまだ気を失って倒れている。
「俺たちは負けたのか…」
空を見上げると星空の天井が広がっていた。




「ここですよリッディ…」
ロイは振り向くとそう言った。目の前に広がるのは荒れ果てた平野で、逆三角形に削れた大きな穴が口を開けていた。
「何だこれ…、おいロ、イ…」
リッディが視線をロイに戻した時、既に彼の姿はそこになかった。動く気配は感じられなかった。
「こんな平野じゃ隠れられない、だとすれば…」
リッディは走った、そして飛び込む、逆三角形の穴に。リッディが穴の中心につくと、そこには階段があった。そしてわざとらしいロイの足跡が残されていた。
「ここに入れってか?…待ってろよロイ・フォーハルス!!」
リッディが走ると突風がふいた。まるでファランクスが突進するような勢いのそれが。

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