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クロノセブンス
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クロノセブンス 16

聞いたことを即答で拒否されリッディは理不尽な思いを感じる。
ただ、そのような理不尽な思いを今まで他人にさせていたのがリッディなのだが、リッディはそこには気付かなかったようだ。
「じゃあ今、俺の体に何が起きてやる・・・」
「進化だよ」
言った後で袴姿の男は自分の言った比喩が気に入って満足げな顔をする。
「お前がさっき戦った化け物がいただろう。あれは幻獣という。ライオンハートに眠る力がお前の錆びた指輪に共鳴して具現化したものだ。あれを倒すと・・・まぁ、倒した報酬みたいなもので力が与えられる」

言い終わると同時にリッディの体の鼓動が大きく激しくなり、一際大きくなった後――
「・・・・・・うおぉぉぉぉ!!」
リッディの声に応じるように、リッディを中心につむじ風が発生する。
徐々に強さを増していくつむじ風。
竜巻と為り、アリストラ大聖堂の残骸を空高く舞い上げていく。
袴姿の男はその中で文字通りどこ吹く風ぞと涼しげな顔をしていた。
ひとしきり暴れた後、風はおさまった。だが、地面は鋭い爪で引っかかれたような跡が残ってしまった。
「おめでとう。さてと、行くか」
袴姿の男が勝手に行こうとすると、それをリッディは殺気だけで動きを止めさせる。
「わかった、肉親のことだな。わかった、わかったから殺気だすのやめろ。」
袴姿の男の体がふっと軽くなる。
「まず・・・・・・母親だが生きている。後は・・・・・・兄貴か」
「兄貴?初耳だな」
リッディの体から殺気が出るのが完全に止まり、空気もよくなる。
「あぁ、しかも・・・・・・その前にそこにいる男達はどこのどいつだ」
音も無く風に削られた大地に出てきたのは、アグニとバドラ。
前回と同じ、黒い服装だった。
「誰?ってこっちが聞きたいんだけどね」
アグニはバドラと顔を見合わせ、解らないのポーズする。っがサングラスで眼が隠れているため、本当は見合わせているかわからない。
「しかも、なんだよ。ここ、化け物でも居たのか?」
合っているが、少し間違っている台詞を言うアグニ。
「さて、本題に入るか。次は優しく・・・は無しだ。力ずくで、ボコボコにして連れて行くぞ。久々の父との再会だ。感動させてやるよ」
袴姿は頭を掻いた後、ため息をつき――
「そいつはいけません。リッディ君とはいろいろと込み入った話をしなくてはなりませんから」
そして、構えるとアグニ達も身構える。
「邪魔するのであれば・・・」
「奇遇だね。同じ気持ちだよ」
風が吹く、それを合図に――
「抹殺する!!」
「ぶっ殺す!!」
リッディを置いてけぼりにした戦いが始まる。

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