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クロノセブンス
その他リレー小説 - ファンタジー

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クロノセブンス 15

「今度は何だよ、いい加減にしてくれ」苦笑いでライオンハートを見つめるリッディ。
次の瞬間、リッディは倒れてしまった。何がなんだか分からなかった、敵の気配はなかったし、狙撃された訳でもない。そこにある事実は、自分の胸にライオンハートが埋ってしまったという事だった。
「おいおい、勘弁してくれよ…」
「無理に外さない方がいい、それは君の心臓にくっついてる」曲刀でライオンハートを掘り出そうとするリッディに、誰かがそう言う。
リッディが振り返ると、袴の男が爽やかな笑顔でこっちを見ていた。
「何でここに?て顔をしてますね、私について来てください、説明してあげます」
「おい待てよ!仕事は終わりだ、さっさとライオンハート外してくれ」
「どうしても?」
「ああ」
「では死ぬしかないですね、さあ胸を出してください、あなたの心臓ごとえぐりとってあげますよ」
「本気か?」
リッディの問いに男は笑顔で頷いた。リッディはおもわず息を飲む。 
「くそ、テメェ騙しやがったな!!」
興奮するリッディに、男は冷ややかな目で答えた。
「何がです?ここで心臓をえぐられるか、私についてくるか、好きな方を選びなさい、ついてくるならそれを外してあげますよ」
袴の男はライオンハートを指差して笑う。今まで戦う、逃げるの選択肢しかなかったリッディに、袴の男は“従う”を与えていた。
「ライオンハート…、外してもらうからな!!」
直後、リッディの体を激痛と異変が襲う。
地にはいつくばり激痛で悶え苦しむリッディ。その痛みは全細胞が擦れるような熱さが伴う、体全体に被害を及ぼすものだった。
と、辺りを拍手が響き渡る。音源は――袴姿の男だった。
「てめぇ・・・・・・なにしてやがる・・・・・・!」
その言葉を待っていた。とでも男は満足そうな顔をする。

「みてわかないんですか?拍手ですよ」
リッディの顔が怒気に満ち、こめかみに血管が浮き出る。
「はいはい、怒らない怒らない。めんどうなので、少しここで説明しておきましょう。その前に・・・・・・何か聞きたい事は?」
「・・・・・・てめぇ、何者だ?・・・・・・クッ・・・・・・」
痛みに耐えながら発した言葉はかすれかすれだった。
「それは答えられません。今はまだ」

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