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クロノセブンス
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クロノセブンス 13

「これかな…」リッディが見上げると大きなステンドグラスが目の入った。それは建物の上の方についてたが、リッディにとってそれは都合がよかった。
「失礼しま〜す」扉から普通に入るリッディ、中では悲惨な光景が広がっていた。
壁や床には血の跡が残っており、容易に惨劇を予想できた。しかし不思議な事に、死体やそれの一部と思われる物は一切なかった。
「変だな…、わざわざ後片付けまでやっていったのか?」
リッディは怪訝そうな顔をしたが、それはすぐに笑顔に変わった。
「ライオンハートみ〜っけ」
建物の一番奥に設置されたガラスケースの中に、それは入っていた。血の絨毯がケースのもとへリッディを案内する。
「やっと仕事も終わりだ」リッディがケースに手を触れようとした時、ポケットの中にあった錆びた指輪が、突然光り始めた。それと同時に辺りを霧が包み込む。
「チッ、トラップか」リッディは曲刀でケースを真っ二つにすると、ライオンハートをポケットにしまいこんだ。
「ささっとずらかる…、か…」後ろを振り返るとリッディは言葉を失った。
「どんなトラップだよ、冗談キツイぜ…」
それは巨大な肉塊――否、醜悪な生物のようであった。
肌色をした3つの目の無い頭、逆だった緑の体毛。何かを求めるようにうごめき続けるおよそ100本以上の尻尾。らしきもの。
鋭い牙が出た口からは血が滴り落ちている。
「ほぉー、つまりこいつがここにいた奴らを殺したと?いや待てよ、それだと」

だが、言い終わる前に化け物の突進がリッディを襲う。寸でのところで避けたが、もしぶつかっていたらと考えると血の気が引いてくる。
化け物の方はと言うと、ブレーキをかける事も無く大聖堂の壁に突撃し、破壊し外へ出て行く。ある程度走ったところで止まり、リッディの方へ向き直る。
まるで、かかって来いという風である。
「・・・・・・それだと、誰が裏に死体を運んだんだ?」
リッディは突進を物ともせず、マイペースに考えにふけっていたようだ。
化け物の方へ歩み始めるリッディ。
瓦礫をこえると、待ちくたびれたぞとでも言いたそうに化け物が待っていた。
リッディは曲刀を抜き、逆手で構える。
にらみ合いが長く続いた。
約20秒の間、1人と1体は石の固まったままだった。
先に動いたのは・・・・・・化け物の尻尾だった。
何100本の細い尻尾が蛇のように伸びて、威嚇するかのようにリッディに先を向ける。

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