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クロノセブンス
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クロノセブンス 12

「どなた様ですか?あなたのような糞野郎を僕は知りません」
それではっと脇をすり抜け立ち去ろうとするリッディをアグニは捕まええる。
「ひどいね。父の友人を忘れるとわ」
リッディはアグニにはかまわず、あたりを見回す。
「おい、Bはどうした?」
「B?バドラのことかね?今日は別の仕事さ。自治会の嫌いな犯罪人を殺しに行ってるよ」

「そうかい、じゃあ失礼するわ」リッディはいつの間にかアグニから逃げ出していた。
「そうはいかねえな、リッディ君?」そしてすぐに捕まった。
「リッディ君何か勘違いしてない?殺しはしないけど…、半殺しにはするよ?」
アグニの握る短剣がリッディの首に突き付けられる。微かに当たっている刃先から、リッディの血が縦線に流れ落ちる。
「アグニさん、取引しないか?」
「この状況で取引だと?…まぁいい、言ってみろ鼻で笑ってやる」
「返すから許してくれないか?」
「何を言いだすかと思えば…、ほらよこせ、それさえ貰えればさっさと帰る」
リッディはポケットから錆びた指輪を取り出すと、アグニの掌にそれを落とした。
「じゃ帰るわ」アグニの口元が緩んだと同時に、彼はそのまま地面に倒れこんでしまった。
「リッディ…、貴様…」アグニの声は小さく震え、リッディには聞こえていなかった。
「毒針を刺させてもらったよ、死にはしないから安心して眠りな」
リッディは倒れたアグニにそう言うと、静かにその場から立ち去った。
リッディは走りに走る、途中教会の武装集団が待ち伏せをしていたが、リッディの曲刀がそれらを瞬殺した。
疾走、爆走、それらを続けて半日かけて着いた場所。
聖アリストラ聖堂。
一周回って建物の様子を確かめる。
もし強奪のような状況になった時、逃げられるところを探しておくのだ。
だが、リッディが逃走ルートの代わりに見つけたもの。
死体、死体、死体、死体の山だった。
そしてそれらすべてがどこか一部、一部と言わずに二部、逆に一部しか残っていないものらだった。
普通の人なら卒倒しそうな異臭が立ち込める中、リッディはそれをなんとも思わず、いや正式には少し不思議に思ったぐらいで素通りしてしまった。

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