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クロノセブンス
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クロノセブンス 11

曲刀を掲げ、その刃に自分の顔が映るのを確認すると、それを鞘にしまった。
「スリのついでに町を探険したが、確か図書館があったな…、本は嫌いだが、行くしかないか」
リッディがベットから下りると、一枚の紙が床に落ちる。なにか嫌な予感がしたが、リッディはそれを拾ってみる事にした。落ちていたのは手紙だった。
リッディは読みたくなかったが、読まないと命に関わる気がしたので、嫌々だが読んでみた。

─リッディ・グランスウォールへ─
昨日はいきなり悪かった、出来れば仕事のついでに連れ帰ろうと思ってたんだが、両方出来ずに終わってしまった。
それで私の仕事なんだが、“ウダラ”というボンボンの金品の奪還だ。お前が盗った事は分かっている、昼頃お前に会いに行くから用意しておけ。俺を雇ったぐらいだ、相当大事なもんだろうよ、捨てたりするんじゃねえぞ?
殺し屋A(アグニ)より


嫌な予感は的中した。昨日来たアグニという殺し屋が、せっかく手に入れた成果を奪い返しにくる…。
リッディは宿を出て図書館でアリストラ聖堂を調べると、足早に町を出て行った。
「盗った物を奪い返されるなんて、俺のプライドが許さねえよ」
リッディの調べでは、アリストラ聖堂まで一日で行けない距離だと分かっていた。その為、まずは中間地点の聖教会リバームを目指し、猛スピードで走っていた。
深夜、リッディは誰もいないリバームに着くと、忍び込み、そこで眠りについた。
朝になり、教会の中でリッディが曲刀の手入れをしていると、武器を身につけた数人の男たちが入ってきた。
リッディが「近くに宿がなかったから、ちょっと借りていた、すまなかった」と言い、金を置いて出て行こうとした、すると男たちはにやりと笑い、一斉に斬りかかってきた。
リッディは慌てず眠たい目をこすると、曲刀を抜いた。
曲刀が鞘から少しの間離れただけで、男たちはバタバタと倒れていった。最後に禿げた神父を一人残すと、リッディは笑顔で金を要求した。
どうやら盗賊の町でリッディは賞金をかけられていて、全ての教会にそれが既に伝わっているようだった。そして、アグニがリッディを追っている事も。
リッディは神父に嫌味を言われると、アグニに追いつかれる前に走り、リバームを去って行った、のだが…
結局今、目の前にそのアグニが立っている。

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