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武竜戦記
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武竜戦記 9

「やったか?」
「いやまだだ」
そう言うと竜将は取り出した剣で、タイラントオーガに切りかかったが剣は弾かれてしまった。
「これならどう、切り裂け風刃」だがタイラントオーガには、全然ダメージが無かった。
「ミティカ退いてろ!奴に風は効かん。行くぞ竜飛、武竜融合!!」
十六夜がミティカの肩を引っ張り後方に下げると、彼の叫び声と共に竜刀へ竜飛が溶け込んでいった。
竜刀を自分の頬の横で構える十六夜。竜刀は青い電光をおび、さらに勇ましい炎をまとっていた。
「行くぞ!火焔突きぃぃぃぃ!!」
十六夜は一気に間合をつめると、タイラントオーガの胸へめがけて突きを放とうとした。しかしその姿を見たタイラントオーガは何故かニヤリと笑う。
「!!」
次の瞬間、十六夜は吹き飛んでいた。タイラントオーガの巨大な拳が地面をえぐり、その土が噴水の様に天高く上がっていく。

「チッ視界が」
十六夜は急いでタイラントオーガを確認しようとするが、彼の目には土の壁しか映っていない。壁と風をきる音だけの世界で、十六夜は感覚を研ぎ澄まし攻撃に備えた。
長く感じる時が突如現れた恐怖の腕によって終わりを告げる。
土の壁から巨大な腕が飛び出すと、それは十六夜の右足を掴み、彼を強烈な力で地面に叩きつけた。
「ウガアアアアア!!!」
雄叫びをあげるタイラントオーガ。十六夜は竜刀を振り上げタイラントオーガの右腕を串刺しにするが、その腕は力を緩める事なく再び彼を地面に叩きつける。

「くっ、竜将!!行くぞ!!」
ジンは竜剣を握り締めタイラントオーガのもとへ走っていく。ミティカは竜鳳と目を瞑って何やらブツブツ呟いている。竜将はというと、腕を組んで戦場を眺めていた。

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