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武竜戦記
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武竜戦記 39

「俺が弱らせるから、君が魔石で奴にトドメをさせ」
「確かに魔石は強力だけど、アイツの表面はそれ以上に強固なの、魔石一つじゃ倒せないわ!!」
「表面ね…、これ借りて行くな」
デュランは柱に近付くと、ユメの設置した魔石をはがして手に持った。

「ちょっと!!使い方分かってるの?何する気!?」
「分かってるって、軽い膨張魔法をかけるだけだろ?口から入って中で爆発させるやるさ」
「バカじゃないの!?グルーの体内は超高温なの、死ぬに決まってるわ!!早く逃げるわよ!!」

ユメは怒鳴ってデュランを止めようとするが、彼はそれを鼻で笑い走りだす。それを見たマスターグルーがドロドロとした体を揺らし、デュランの前に何度もその拳を叩きつける。
ドン!!ドン!!ドン!!次々に襲いかかる拳をデュランはまるで踊っているかのように避けていく。

しかしそれは長くは続かなかった。飛び跳ねているうちにデュランはグルーの屍に足をとられてしまったのだ。粘り気の強いその物質はデュランの足を放そうとしない。身動きできない彼に向かいマスターグルーは容赦なく拳を振り上げる。
拳の風圧がデュランをとらえ、その直後にマスターグルーの拳が落ちた。地面は揺れグルーの死骸が散乱する、それを覆い隠すように砂埃が吹き荒れた。

「バカじゃないの!?」
「え、何が起きたんだ?」
潰れたはずのデュランは何故かユメに首根っこを掴まれ、ドームの頂上にいた。

「私の魔法で助けてあげたけど、これが最後の魔力だから。さっさと逃げるわよ」
「じゃあ先行っててくれ、後で合流するからさ」
「あんたねぇ…」
ユメは握った拳を震わせるが、それをどうする間もなくデュランはマスターグルーに向かい飛び下りていた。

「バカ!!もう知らないからな!!!」
落ちて行くデュランの先にはマスターグルーの大きな掌があった。デュランは左手に鉄塊(四角い鉄の塊に握る為の穴を一つあけたもの)を握り、着地すると同時にそれを突き刺した。マスターグルーの腕はゴボゴボと音をたて赤くなっていき、膨張すると噴火の如く爆発した。
低い声で叫びをあげるマスターグルー。右腕を失ったマスターグルーはもう片方の拳でデュランに襲いかかるが、その勢いをそのまま利用してデュランが鉄塊を拳に突き刺した。マスターグルーの左腕が膨張していく。

「こんなもんか?」

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