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武竜戦記
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武竜戦記 26

「我力を糧に真の力を示せ!竜剣・竜牙!!」
薄暗い空間でジンの竜剣が輝きをはなち、二人を照らした。その光りに反応して二体のタイラントオーガが狂ったように走りだす。

「見てろよ竜将、俺一人でもコイツらぐらいは!!」
飛び掛かってくるタイラントオーガにジンは真正面から立ち向かう。タイラントオーガの巨大な腕が振り下ろされた時、ジンはその腕を駆け上がりタイラントオーガの首後ろに竜剣を突き刺した。

「ジン、後ろ!!」
ジンはユメの声に気付くと剣を引き抜いた。彼が直ぐさま後ろを振り向くと、岩のような拳がすぐそこに迫っていた。
「くっ!!」
ジンの目の前が強烈な光りに包まれる。



「光波!!」
男の声がした。ジンの視界が徐々に回復していくと、そこに満足そうな顔をした十六夜が立っていた。彼の体の周りでは時折バチバチと音をたてて、小さな稲光が起きていた。

「助けにきてやったのに、まさか女とイチャイチャしていたとはな…。お前、意外と抜け目ないな」
「貴様は!!!」
十六夜の姿を見るとユメの目は大きく開き、怒りの目へと変わっていった。ユメは光りの剣を握り十六夜に問答無用で斬りかかる。十六夜はそれを余裕の表情でかわしていく。

「お前も!お前も!!!」
「おや?もしかしてユメちゃんかい?綺麗になったもんだな。まぁでも君に剣は…、必要ない!!」
十六夜がユメの腕を蹴り上げると光の剣は宙を舞い、光りを失って床に落ちた。

「嘘つ…」
落ちた武器に目もくれずユメが何かを叫ぼうとした時、十六夜の手刀で彼女は意識を失った。

「ジン!!無駄口叩いてる暇はねえ。俺が全力で奴等を痺れさせる、お前は力果てた俺とこの女を背負って脱出しろ!!」
「任せろ!!」
「良い返事だ!!…“炎”だけは絶対使わねえ。いくぞ、光波――――!!!」

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