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武竜戦記
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武竜戦記 25

「何ぼーっとしてんの!!四方は敵に囲まれた。どうする、どうする私…」
「俺は一体なにを…」
「あんたねぇ…!!」
パシーンっと音をたて、ユメのビンタがジンの頬を直撃した。それでもジンはうつろな目をしている。

「タイラントオーガに囲まれて他ごと考える余裕があるなんて、大した自信ね!!」
「それもこれもアンタ達が俺を騙したからだろ!!」
「騙される方が悪いのよ!!」
ジンはユメの叱責に言い返したが、理不尽な言い訳と共に再びビンタをくらった。二人がそんな事言い合ってる間にも少しずつタイラントオーガ達が彼ら追い詰めて行く。

「いい?今から言う事をよく聞いてちょうだい」
突然ユメは真剣な眼差しで話しだす。ジンはその気迫に息を飲んで頷いた。

「まずアナタがタイラントオーガの群れに突っ込むの」
「ああ、そして?」
「その間に私が逃げる」
「………」
「何よその目」
ジンは溜め息をつくとタイラントオーガ達を見回した。彼は竜剣をぬくと刃に自分の姿を映して一人黙って頷く。

「分かったやってみる、どうせこの数相手じゃ一か八か。生きろよ?ユメ」
「あ、うん…」
ユメはジンの顔を見て何故か頬を赤らめた。
ジンは、ユメのそんな顔を見て
「ふっ、俺に惚れるなよ」
「なっ、なにバカなこと言ってんのよ!そんな事あるはずないでしょ!」
ユメは、さらにその顔を真っ赤にし否定する。

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