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武竜戦記
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武竜戦記 22

「十六夜ちょっといいかしら?竜鳳と相性がいいのは─」
「いいじゃないですかミティカさん、行かせてあげれば」
「はあ?あなた私の味方じゃなかったの!?」
羅刹の反応にミティカは声を荒げた。怒りに満ちたミティカを目の前にして、羅刹は笑顔で答える。

「そろそろジンさんが心配です。それに暗い所なら十六夜さんの炎はとても有効だと思いますよ」
「…もう、分かったわ。いい?ワープの先は“敵に全包囲”されてるから気を付けて」
「任せておけ、俺は“光波”だ。必ず勝つ!!」
十六夜の自信満々な態度を見ると、ミティカは一度溜め息をついた。彼女は子供をあしらうように十六夜に背中を向けさせ、彼の背中に手を当てる。すると十六夜は青い光に包まれ、空気を巻き込みながら消えた。


数刻前の謎の地下施設──
そこはボロボロになった大きな部屋で、コンクリートの破片がそこらじゅうに散らばっていた。壁には埃だらけの国旗が飾られている。その部屋で、ガルを中央に武装している男達がジンを囲んでいた。

「さっきも話したが、俺達は今からクーデターを決行する。ジン、お前には老人達の護衛をする竜騎士の相手をしてもらいたい。報酬はデストロイヤーの情報だ」
ガルの言葉にジンは黙って頷く。

「宮殿の明かりが消えたら一斉に攻めかかる、それまでは持ち場で待機、以上!!」
その言葉と同時に武装していた男達はみな闇の中へと姿を消した。ジンとその隣りにいる少女を残して。

「ジンとかいったな、私の邪魔するなよ?」
「…皆俺に何か隠してないか?」
ジンの問いを聞き少女は歯をくいしばると、拳を握りジンの頬をひっぱたいた。ジンは目を点にして少女の顔を見つめる。

「…俺、何かした?」
「嫌な事を思い出した!!それだけだ」
「はぁ…」
呆気にとられたジンは少女をただ見つめる。彼女はガルがジンのパートナーに命じた“ユメ”。青い髪を持ち武器はベルトにつけたメジャーの様なものだけだった。

「何じろじろ見てるの?行くわよ!!」

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