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武竜戦記
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武竜戦記 20


「ふん、逃げたか腰抜けめ…。だが参った、この高さではあの者達は死ぬな」
暗闇の洞窟へ落ちてゆく中、管理者は横目でジン達を見つめる。

「ミティカ、君の言語術は風だろ?なんとかならないか?」
「竜鳳と組めばあるいは…、オジサン!!どさくさに紛れて逃げないでよ?聞きたい事がいろいろあるんだから」
「ハッハッハッ、威勢のいい娘だ。逃げも隠れもせんよ?質問にも答えよう、まぁそれは生き延びる事ができたらの話だが」
「イライラするお爺さんだ事…、竜鳳!!“風竜”を召喚するわ」
「ミティカそれは一度きりの召喚だが…、本当にいいのか?」
「今使わなかったらいつ使うのよ!!」
「分かった」
「ジンは私の肩に掴まって!!オジサン、驚き過ぎてしなないでよ?」
ウインクするミティカと彼女を試すかのような目をする管理者。ミティカはジンを、竜鳳は十六夜を背中に担いで呪文を唱える。二人がブツブツ言い終えると、ミティカは叫んだ。

「いでよ風竜!!」
彼女の叫び声と同時にジン達の体が浮かび、ゆっくりと下へと降りていく。管理者はその絶景に感嘆した。

「これが風竜…」
宙に発生した光り輝く魔方陣。その中央に現われた子犬ほどの小さな白いドラゴン、そのドラゴンが小さな口で大きなあくびをすると洞窟の暗闇は一変した。岩で囲まれていたはずのその空間は雲一つ無い青空へと変わっていたのだ。

「時空転移か…、“八匹”の竜の話、聞いてはいたがこれ程の魔力を持つとはな」
管理者は1人で頷きながら顎を触る。ミティカの言語術で召喚された白き風竜は重力を弱め、ジン達を地面にゆっくりおろすとその姿を消した。

「ふん、約束だ質問に答えてやろう。何が知りたい?わしの好みのおなごがいいかね?」
「壁の向こ─」
「竜将がどうすれば元に戻るのか教えてくれ!!」
ミティカの質問をジンかき消した。ミティカは両手を腰に当てると、溜め息をついて一歩後ろにさがる。管理者は右の眉を上げると歯を見せて笑い、ゆっくりと口を開く。

「竜将を助けたくば水の都に行き、“デストロイヤー”に会うといい。奴がその方法をしっている」
「分かった、デストロイヤーだな。ありがとうオッサン!!」

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