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武竜戦記
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武竜戦記 16

「たく、熱い奴だなぁ」
ガルはそう言ってジンの腕を払った。そしてそのまま説明を始める。

「この“水の都”でハーフを殺すのが罪にならない理由はな。この町の人間がハーフに虐殺された歴史があって、それを未だに引きずってる奴等がいるからだよ!!さっきの奴等はその巻き添えだ」
「しかしあそこにいたのがハーフと何故分かる!!」
「それはお前のひっさげてる剣だよ」
ガルはジンの竜剣を指差すとそのまま展示されている資料に指を向けた。その資料には“死神 デストロイヤー”という字と一枚の絵が描いてあった。それは沢山の屍の上で剣をかざす人物画だった。

「ハーフの持てる竜剣は“竜牙”しかない。己の力を制御するには“竜牙”が必要不可欠なんだ、そしてこの絵に描かれている死神はそれを握って、水の都を赤く染めた…。そんでもって、奴等も竜牙を持ってたって訳だ」
「強引過ぎる!!人であっても竜人であっても竜牙は扱えるはずだ!!」

「その絵の人物がハーフと決め付けた奴等にそんな理屈は通用しない」
「くっ…」
「にしても、お前は実に運が“悪い”、お前の持っている竜笛はデストロイヤーが持っていたモノと非常に似ている。いや、同じモノだろう…」
「デストロイヤーと同じ竜笛…」
「この資料と照らし合わせてみろ、“竜笛・竜将”について書いてあるはずだ」
ガルは机にあった一冊の本をジンに投げ付けた。
「竜笛・竜将…デストロイヤーが使っていた魔の竜笛。所有者を水の都へと呼び込む呪いがかかっている」
「その竜将というのはハーフでなくては使えん品物らしい、という事は?」
「俺は殺される為にこの都に呼び込まれたというのか?」
「ま、そんな所だ。さっきの部屋にいた“展示品”たちもその竜将をもって自ら狩られにきた」
「水の都の呪いか…」
「所有者が何度も殺されている笛。そんなモンを使ってるたぁねぇ…。しかしな、その呪縛を解く方法がない訳じゃない」
「と言うと?」
「水の都でハーフ狩りを指揮している狂った老人達を成敗すればいい」
「それで、俺はどうしたらいいんだ?」
「え?」
「俺はどうしたらいいんだ?」

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