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武竜戦記
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武竜戦記 15

暫くガルの後ろをついていくと、一つの扉に行き着いた。そこには竜騎人が一人立っている。よく見るとその竜騎人は怪訝な顔をしていた。

「ガル、どういうつもりだ?」
「ああ、後ろのハーフの事か?笛について知りたい事があるんだとよ…、絶対迷惑はかけねぇ、10万リアロでどうだ?」
竜騎人は少し考える素振りを見せると、笑顔で了承しガルが小袋を渡すと、その扉を通してくれた。

「いいのか?あんな大金」
「あれはココに入る為の手数料だ、奥に入れば何故あんな高額なのかすぐ分かるぜ。一応言っておく、絶対に騒ぐな!!」
ジンは生唾を飲んで首を縦に振る。彼は胸騒ぎがしてならなかった。蝋燭の火に照らされた通路をゆっくりと進み、木の扉をガルが開いていく。

「な、これは…」
扉の先の風景を見てジンは思わず声を震わせた。足の震えも止まらない。

「高額な手数料の意味、分かったろ?」
ジンの目の前に広がっていたのは“ハーフ”達だった。串刺しにされたり、張り付けにされたりして壁際に並べられている。

「はぁ、はぁ、はぁ、これは一体…」
「心配するな、皆死んじまってる」
「そんな事を聞いている訳じゃない!!」
ジンが大声で叫ぶと、ガルは彼を連れて素早く壁の角に隠れた。

「馬鹿野郎、死にてぇのか?」
「だが…」
「この展示室のむこうが資料室なんだ、お前の知りたい事はそこにある。資料室に行くまで黙ってろ」
ジンは俯くと、舌打ちをして頷く。それを見てガルは肩をなでおろした。

「気色悪いと思ってんのはお前だけじゃねえ、さっさと資料室に行くぞ」
ゆっくりと歩き出すガル。ガルとジンはそのままのペースで歩き、資料室に入っていった。中に入ると開けた扉が自然としまっていく。扉が閉まった瞬間、ジンはガルの胸倉を掴んで彼を壁に叩きつけた。

「あれは何なんだ…、納得できるように説明しろ」

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