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武竜戦記
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武竜戦記 12

「もらった!!うおおおおお!!!」
周りの景色が強烈な光に包まれ、それがおさまった時、タイラントオーガの右腕は綺麗になくなっていた。右腕を失ったタイラントオーガは声を上げずにそのまま地面に転がった。

「…何で右腕がなくなっただけで」
「それが私の能力だからだ」
「竜将…」
「“様”をつけろ。いいか、よく聞け、一度しか言わん。私は炎や氷といった攻撃言術は使えん、その代わりに剣で敵の体の一部を叩く事により“弱点”をつける事ができる」
「今回はそれが右腕だったって事か」
「そうだ、だがいいか。私をその辺にいる竜魔と一緒にするな、お前との連携をするつもりはない。私の目的はあくまで竜の護衛だ、心しておけ」
そういい残すと彼は竜笛に戻っていった。地面に転がるタイラントオーガの屍を残して。

「いでよ竜将!!」
「…なんの用だ」
「…なんとなく」
「…………」
竜将は不愉快な顔をすると再び竜笛に戻っていった。ジンはニタリと笑う。

「ジーン!!ジーン!!」
「あ、ミティカだ。ここだ!!」
気分をよくしてたジンは右腕を天高く上げた。ミティカが走って来る。
「ミティカ、やったよ」
パチンッ
ミティカとの合流は彼女のビンタから始まった。ジンは瞬き一つせず呆気にとられた顔をしている。

「あなたどういうつもり!!」
「どういうって…」
「これは遊びじゃないの!!失敗したら死ぬのよ!!」
そう言うとミティカはタイラントオーガの屍を指差す。表情は怒っていたが、その瞳は何故だかうるんでいた。

「お願い…、もう仲間が死ぬ所は見たくないの…」

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