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時が止まるとき
その他リレー小説 - ファンタジー

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時が止まるとき 6

ミナのお説教はえんえん小一時間は続いた(しかも何か口答えすればビンタ)。「ホント、オトコってバカ!銃だの剣だの…なんでも暴力で解決しようとするんだから!」あんたが言うか…と心の中で小さくツッコミを入れる私だけどミナは真剣、そして体当りで一触即発の状況を丸々、自分のペースに持ち込んでしまっていた。
滝も少年も『やれやれ』といった感じで顔を見合わせていたが、さっきまでの敵意は全く感じられない…。
「ちょっとアンタ達!聞いてんの?」
二人の視線はミナの後ろ、その方向から駆け寄ってくる人影があった。
「口で言ってわかんないなら…」
近づくにつれて、その姿がはっきりしてきた。服装からして通勤途中の会社員『だった』みたいだ。
身体は不自然に痩せ細り、顔は私とミナを『こちら側』に召喚?したリトルグレイもどきに近かった…何より目をひいたのが、両手に装着された鉤爪…。『それ』はミナを踏み台にして、人間離れした脚力でで跳躍。滝と少年の頭上をかすめ、私の目の前に降り立った。「…カ…ギ…」
喉に唾液の絡まったみたいな喋りづらそうな声で、確かに『それ』はそう言った。私が?どういう意味?
「カギ…コワス…」
どうも表現力が足りないらしい。何が言いたいのかサッパリだけど、何をしたいのかだけは明白に表現してくれた。きっと次は、行動で示してくれる事だろう…って冷静に考えてる場合かぁっ!?

「こらぁっ!こぉの不良地底人っ!ドロ靴でふんづけといて何の謝罪もナシか!」
ミナが叫び、不良地底人?の注意が私から逸れた。振り向いたその先には頭に足跡をくっきりつけたミナがいた。いつもまっすぐで、不良とか目の前にしても一歩も退かないミナがそこにいた…。そして銃声、不良地底人の側面に回った滝が発砲していた。

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