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時が止まるとき
その他リレー小説 - ファンタジー

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時が止まるとき 1

ゴンゴンゴン…誰かが叩いているのかの様に窓が揺れた。
「地震…?!」ビックリした私は揺れが治まるのを待った。だが、揺れは治まるどころか だんだん激しくなっていった…
そして体が浮くのを感じた。
私は机の角に頭をぶつけて気を失った…
どれくらい時間が経ったのか、次に意識が戻った時にはもう地震はすっかり治まっていた。
居間へ行ってみると母は天井を見つめたまま動かないでいた
「お母さん?」母は瞬きすらしない。(おかしい…)怖くなり私は外に出た。 外には母と同じ様に動かない人間で溢れていた。
気が狂った様に私は親友の美奈子の家まで行った。
 親友の家の扉を叩いても返事は無くて、飛び込んだ部屋の中で美奈子は倒れていた。
「ミナ、美奈子!」
泣きそうになって気付いた。凍りついてない。気を失ってるだけだ。美奈子の体を揺さぶると、彼女は小さく声を上げて目を開く。
「ユエ…?」
あくびをして今何時?と言うからびっくりした。「何時って…あの揺れの中で眠ってたのっ?」
「ん?そっか、凄い地震だ。びっくりして失神しちゃったんだ。大丈夫だった?」
 よかった。少なくとも美奈だけはいつも通りだ。安心したら涙が出てきて、私は半分泣きながら見てきた事を話した。
「私は平気…でも、何か変なの!!」
「本当…あり得ないよ、おかしいよ…そうだっTVつけてみよう!」
TVをつけると、穏やかな笑顔で固まったまま動かない女子アナウンサーがこちらを見つめていた。
私は冷静を失った。気が狂いそうだった。
「見て!誰か動いてる…」美奈子がTVの奥を指さした。
そこには震え上がって身を屈めている男が映ってた。
「この人も動いてる!」思わず私が叫ぶと、男の人はこっちを振り向いて凄くびっくりした顔をした。と同時に、画面の端に黒い影が写り映像が横倒しになる。テレビカメラが壊れたのか、映像はそれきり途絶えてしまった。
「うーん、ちょっとしたホラーだね」美奈子が呟く。
「あの人、こっち見てた…」
「カメラ倒した奴を、でしょ?何だろね。人ならいいけど」さり気無く怖い事を言う。
「よし、テレビ局行ってみよう。」思い切りがいいのは彼女の美点だ。普通行動する前には悩むものだけど、その手順をさっさと乗り越えてしまうのがミナなのだ。そういうのって私には出来ないし、尊敬してる。お陰で言い損ねたけど、目が、合ったって。テレビの中でからあの人は、確かにこっちを、私を見ていたのだ。
首都へ向かう電車の中でぼんやりそんな事を考えていると、突然ミナが謝った。
「ごめん。私もっと考えてから行動すべきだよね」
「?何言って…」
顔をあげたらすぐに理由は分かった。うっすら虹色に光る電車が何故動いてるのか、考えるべきだったのだ。外は蛋白石色の靄に包まれて、その向かうに見た事も無い建物が浮かび上がる。

ここはどこ。

そして私達の前には、 怪しい人影が立ちはだかっていた。マントを被った顔は分からない。その雰囲気がにやり、と笑って楽しげに言う。
おめでとうございます、あなた方は選ばれた勇者です。
「この世界救って下さい。こっちが滅びるとあなた達の世界も終わりです。…ありがちな展開ですけどね。」
一体どこの世界でありがちなんだろうかこの異常事態が。
「ファンタジーだろ」ミナは事も無げに言う。
「こういう本良くあるよ、本当になっちゃうとは思った事無かったけど。」
親友だし尊敬もしてるけど、私は時々彼女に着いていけない。この時もそうだった。ミナはぺろりと唇を舐めて、夢中になっいる証拠の少し乱暴な言葉使いで尋ねた。
「巻き込まれた以上はやったろーじゃん。教えてよ、何が起こってるのか。」
「お教えしましょう…この宇宙は沢山の銀河系から出来ています…地球人は自分達だけが高い知能を持っているつもりでしょうが実はあなた達にはとてもたどり着けない程 遠くの銀河系にこの地球によく似た私達の惑星があります。そこにも太陽に似た星がありかなりの確率で生命が生まれました。あまりに似すぎたこの2つの惑星はなんらかの原因により時空がネジレテしまい行き来できる様になった…そのかわり時は止まったのです…現在、私達の惑星では地底人が乱闘をおこし大変な事になっています。同じ地上人として私達に手を貸して下さい!」

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