時が止まるとき 28
どれだけ倒しても、次から次へと現れてくる信者の人や地底人。それに対してこちらはたったの六人。しかも私はほとんど足手まといで、むしろ守ってもらわなければならなかった。
圧倒的な人数差。いくら皆が頑張っていても、それはどうしようもなかったものだった。
全員それが分かったのだろう、難しい顔をして黙り込んだ。
今回も相手は集団で、映っている人数だけでもこちらより多い。まさか人員がそれだけということもないだろうし、話が本当なら地底人も多数いるらしい。だから光一くんの言うことはもっともだ。
「僕たちは確かに彼らを調査したいし、危険があるなら排除したい。しかしそれはあなた方を犠牲にしてまで達成したいことではないんですよ。今や皆さんとは一応とはいえ顔見知りだし、何かと天秤に掛けるような真似はしたくありません。人並みの倫理観は持っていますからね」
ひと息、
「いい機会だしついでに言っておきましょう。これからもいろいろと面倒なことがあると思いますが、拒否は個々人の自由とします。どうかお好きに言ってください。それで待遇が変わったりはしませんよ」
光一くんがそう言うと、いつの間にか復活して横に立っていたみことくんが、いつもより真面目な顔で頷きながら付け足した。
「そそ。何事も命あっての物種っつーことだし、無理する必要はないんだよ諸君。むしろ無理されると困る。わかるよな? いつどんなことがあるか、さすがの俺様でも予想はできても予測はできないんでね」
「……というわけで、もう一度言うけど、今回やこれ以降、作戦に参加するのが嫌な人は僕やみことに気を使ったりせずに、なるべく早めに言ってください。――そうするのが互いのためですので」