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時が止まるとき
その他リレー小説 - ファンタジー

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時が止まるとき 23

「ある日突然…非日常…ドサクサ紛れに好き勝手絶頂…最高な気分だったんじゃないですか?自分をいじめてきた世の中全てに仕返ししてる気分だったんじゃないですか?」
二つ目の拳銃に手を延ばし、何かに取り憑かれたように一発ずつ丁寧に弾丸を抜いてゆくめぐみ君。ぎょろり、と信者の人達を睨んだ。
「あってはならない荒れた時代…それを楽しんでいたんじゃないですか?選ばれし者とか言うキーワードにすがりついて!」
心の奥底の、毒気の全てを吐き出さんばかりの絶叫。その場にいた、全員が凍り付いた…。

「僕が最初に殺したのは、フェンシング部の先輩達…彼らは突然身に着いた『能力』を試そうと…襲いかかって来ました…。」
めぐみ君の『殺し』の履歴、正当防衛かどうか私にはわからない。彼が生きてここに居る以上、バグ能力だけでない、それなりの剣技を持っている事がうかがえた。
「殺して逃げ延びてこの人達と知り合って…久しぶりに人間らしい部分に触れて…せめて殺した分だけ働いてみよう…そんな気になったんです。」
最後はなんだか照れくさそうだった。そしてココぞとばかりに誇らしげにふんぞりかえるミナ。
「とにかく…アタシ達の仕事をさせてもらいましょうか?」
ミナは武器の山から、骨董品のようなブロードソードを選び出し鞘を払った。
「皆様お待ち兼ね!ファンタジーな勇者様のお仕事!」
マザーの元には行かせまいとばかり、不良地底人の群れが雪崩れ込んで来た!

「やれやれ、僕はお待ちかねじゃないんだけどね」
そう言うと足元の長槍を蹴り上げる光一君。
「そうぼやくなよ。やるしかねぇんだからな」
そう言いながら滝さんが両手に銃を構えるのと同時に第一陣の攻撃が始まった。

次々と相手を蹴散らしていく皆。それでも多勢に無勢、徐々に追い詰められていく……

「ふぅ、正に絶体絶命ってヤツだね」
「そこのメガネ!何冷静に言ってるのよっ!」
額の汗を拭きながら呟く光一君をすかさずミナが怒鳴り付ける。でも、その声には明らかにいつもの元気が無かった。

「次から次へと……これじゃあキリが無いですよ」
「チッ、撃ち過ぎで手の感覚が無くなってきやがった……くそっ!」
めぐみ君や滝さんも疲労の色が濃い。
とその時辺り一体に聞き覚えのある声が響いた。
「一度くらいじゃ死にゃしない!不死鳥の如く今ここに!(中略)大天才倶利伽羅みこと様の復活だ!!」
でも、不良地底人からは完全に無視される。
「ふふふ、だが今日の俺様は一味違うぜ……唸れ拳!震えろ心!絶対無敵に今必殺の!自・ぶぁ〜っく!!」

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