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時が止まるとき
その他リレー小説 - ファンタジー

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時が止まるとき 18

…修学旅行とかでこっそり宴会気分…見回りに来る先生なんか居ないけど…。
「ミナさん…肉とシラタキは…」
「いーじゃん別に」
以外にも鍋奉行な雛形くん。一応社会人の滝さんは酔っぱらいながらも、片付けとかマメだったりして。やなくは(誰も聞いてないのに)『科学的根拠』について演説。光一と私は…まあいつも通りという事で…。

「・・・忘れて呉れて構わない。」
「えっ・・・何の、事ですか?」
「貴女は選ばれし特別な存在です。さあ、世界を救って下さい!なんて馬鹿気た話さ。気にすることは無いよ。僕やみことは君を英雄なんて体の良い犠牲にしないと助からない世界なんて滅んだって構わないから。それに、君の友達だって・・・さっ、もう一杯どーぞ。」
光一くんはいつもの調子で私のグラスに再び黄金色の液体を注ぐ。私は一気に飲み干したけど、ほろ苦いばかりのソレは少しも美味しいとは思えなかった・・・

「う、う〜ん・・・」
どうやら慣れないお酒を飲んで寝ちゃったらしい・・・
「あっ、起きたみたいだね。気分はどう?」
寝起きだけど頭はすっきりしてる。
「えぇ、まぁ、悪くは、ないみたいです。」
「そう、良かった。酷い顔してるからてっきり二日酔いかと思ったよ。」
「えっ・・・!?」
慌てて洗面所に飛び込む。確かに光一くんの言う通りの酷い顔がそこに映る。
「こんな酷い顔を同い歳の男の子(それもなかなかの)に見られるなんて・・・。」
「ミナさ〜ん!」
自己嫌悪に陥っていると光一くんの呼ぶ声が聞こえた。
「あっ、は〜い!」
「ちょっと手伝って貰えませんか〜!?」
「ちょっと待ってて下さい!すぐ行きま〜す!!」
取り敢えず一通り整えると、声のした方、台所に行く。

「コレ、つけて向こうに運んでくれない?僕は皆を起こすからさ。」
「コレって・・・?」見るとコンロの上でさっき(と言っても三時間程前だけど)の鍋の残りにうどんを加えたのがぐつぐついっている。
「ホントは締めにやる予定だったんだけど、皆その前に寝ちゃったから・・・じゃ、頼んだよ。」
そう言って光一くんは皆を起こしに行った。
昼間っから鍋つついて酒のんで、オナカすいて夕食にうどん。RPG小説の宿屋でのひとときを、無理矢理わたし達に置き換えたような展開…皆、我先にうどんをすする…。
鍋が空になった所で、集合がかかる。お昼前に使った作戦室みたいな場所だ。やなくが各人の大まかな行動と時間をモニターに示す…その中に、私の名前は、無い。

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